【今日は心の日曜日(73)】人生の意味
「この春で就職して3年になります。自分の人生の意味について考えていますが、見つけられなくて悩んでいます」
「自分の人生の意味」については、人それぞれ色々な答えがあり、他者が口出しすべきではないと思いますが、他方でこうした思いが浮かぶ時は、往々にして「日常生活に張りがない」、「仕事が面白くない」、「やりたいことが思い浮かばない」、「虚無感がある」という時ではないでしょうか。
物質的には豊かになっても社会では格差が広がり、生きにくさを覚える時代に、若い世代を中心に物よりも心の内面にシフトした生き方を求める人が増え、これからの困難な時代を生き抜いていくために、自分の人生を意味付けたいと考える傾向が強くなっています。
ただ、その答えを直ぐに出すのは難しく、本稿では「人生の目的」についてご説明し、人生の意味について考える上での一助としていただければと思います。
「人生の究極目的」は「幸せを求めること」です。幸せになることは、この世に生を得た人であれば誰しもが願う普遍的真理です。子孫繁栄を最優先に考える他の生物とは違い、人間には感情があります。限られた命の中で生きている私たちは「生まれて来て本当に良かった」と感じ、「私は価値ある存在だ」と気づき、「周りに生かされている」と感じられた時に歓喜の瞬間を迎えます。
大きなことをしてこそ、自分の人生に意味があると考えていた人もいるかもしれませんが、人生の意味は、大小でも、損得でもなく、自分が大切にしている価値に対し、納得できる生き方をした場合にのみ、自分の人生に意味があると感じます。
さらに、より幸せになりたい、人生の充実感を得たいのであれば、幸せとは人との関係性の中にあります。人は一人では幸せになれません。人との関係性において格になる「自分」を愛することから始めて、自分を知り、自分の得意なことで他人を喜ばせることができた時に、自分の人生が明確に意味づけられることでしょう。
そう考えると、人生の意味を見つける第一歩は、自分の興味・関心を探すことなのですが、完璧主義が過ぎると、思考をめぐらすばかりで、行動できなくなってしまいます。人間の強みは感情があること、感情が思考を作ることから、感情優位に、心の内からノックしている、あなたの心の声に耳を傾けることから始めてみませんか。(コミュニケーション専門カウンセラー 高﨑美佳)
〈連絡先〉カウンセリングルーム「ミカモーレ」(fc.mikamour@gmail.com)