【今日は心の日曜日(81)】 隠れた才能を見つける

 「子どもは発達障害と判定されており、学校でノートを取るのも苦手で、部屋の整理もできません。我が子の将来を思うと、気持ちが塞ぎます」
 お母さまは、さぞかしご心配でしょうね。毎日を乗り越えることで精一杯だと思いますが大丈夫、希望を持っていただきたいと思います。
 私たちは、一人一人才能にあふれています。「才能は、発達障害の子にもありますか?」と質問いただいたら、「あります」と即答します。肝心なことは、能力が人それぞれに違うことです。成長するスピードも、人それぞれ違うことを親は理解すべきです。発達障害は個性です。できなくて目立つことはあるでしょうが、その分、得意なこともあるはずです。
 人は誰でも「長所・短所」「得て・不得手」があり、その割合は半々(50%と50%)です。それを凸と凹で表すと、「凸(プラス50%)凹(マイナス50%)=0」です。凹み(短所)が大きいぶん、凸(長所)も持っているはずです。
 親は、大抵できないこと、足りない部分を見て、他の子どもと比較して思い煩い、子の自己肯定感を下げてしまいますが、隠れた能力を見つけて宝石の原石のように磨けば、その能力は才能として開花するでしょう。肝心なことは、どこを見るかなのです。
 例えば、学校でノートを取らないのは、記憶力が優れていて、あえてノートをとる必要がないのかもしれません。見たままに写真を撮るよう記憶できれば、ノートをとることは逆に苦痛です。人間は当たり前にできる能力を使いたがるからです。
 発達障害で多動性が話題になります。多動児はエネルギーがあるので、その子の興味や関心のあることに集中させてあげれば、才能が開花することでしょう。
 「できないことをそのままにしていいのか」とよく質問を受けますが、人間は興味、関心あることに没頭し、夢を叶えたいと思うほど、困難なことも乗り越えたいと思うものです。
 人と話すのが苦手な人でも、自分が興味、関心があることだけは、他者にお話できるものです。才能は好きなこと、長所の中に隠れています。それを見つけてあげて、勇気づけてあげることこそ、親の愛情ではないでしょうか。
(家族関係心理士/心理カウンセラー 高﨑美佳)
〈連絡先〉カウンセリングルーム「ミカモーレ」(fc.mikamour@gmail.com)

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