古き良き観光地が圧巻 西ヌサトゥンガラ州ロンボク島 海も山も魅力たっぷり

 政府が観光開発に力を入れる西ヌサトゥンガラ州ロンボク島のマンダリカ。2018年のロンボク島地震や新型コロナ。おまけに新たに完成した国際空港はマンダリカから車で30分ほどだ。人の流れが大きく変わったが、そのすぐ近くに観光客に忘れ去られそうになる古き良き観光地がある。ロンボク島西岸スンギギ地区だ。州都マタラムから近く、ギリ島へもボートで15~30分ほどで行ける。静岡県の熱海のような落ち着いた雰囲気を受けた。

 国内3番目に標高が高いリンジャニ山。その麓にある滝「BENANG KELAMBU」。目が足りないほど、いくつもの場所から流れ落ちる水。これほどに美しい滝を今まで目にしたことがあっただろうか。また、真緑の草葉や石段が滝をより一層映えさせる。
 ここまでは有頂天だった。案内所で1~4つの滝のコースを選べるのだが、せっかく時間を掛けて赴いたのだからと滝4つ全てを巡るコースを選択した。
 まず1つ目の滝に心の底から感動し、ガイドさんが「じゃあ、次に行こうか!」と。気づけば土管パイプの上を滑らないよう、そろりそろり。腰より高い段差をガイドさんの手や木を掴みよじ登り、冷たくて気持ちの良い川の飛び石を渡っていた。
 当然、整備された道はなくここはインドネシアだったと過去の経験が蘇った。足腰に自信のない方や小さなお子さん連れだとリスクがともなう場所だった。
 「疲れた」と泣き言をこぼしつつたどり着いた滝は、ほかの観光客もおらず豪快な滝を独り占めできるプライベート空間だった。滝から飛び出す水しぶきを浴び、水しぶきから成る虹に歓声を上げた。
 一方、観光客に大人気のギリ3島、つまりトラワンガン、メノ、アイルまでボートで15~30分で行けるロンボク島西岸のスンギギ地区は古き良き観光地。波の音で目を覚まし、夕日を眺めて1日を終える。くつろぐには最高のロケーションだ。
 ギリ島へはあいにく潮が高く船は出航を禁止されており行けなかったが、ホテルのスタッフさんが「違うギリはどう? ここから車で1時間。そこからボートで5分。素晴らしい海だよ!」と代替え案を出してくれた。
 島名は「GILI NANGGU」。透き通る青い海に大はしゃぎしながら、シュノーケリングでカクレクマノミと触れあい、魚にえさをあげて人気者になった。
 今回の旅行は「なにもしない」をテーマに掲げていたのだが、気がつけば山・海のアクティビティーを制覇していた。
 リンジャニ山のトレッキングには2泊3日ほど必要だそうで今回は諦めたが、いつか登ってみたいと後ろ髪を引かれながらジャカルタへ飛んだ。(ロンボク=青山桃花、写真も)

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