【今日は心の日曜日(66)】慈しむ心を育てる
「子ども2人(幼稚園児の兄と2歳年下の弟)に日々向き合うことで一杯一杯です。頻繁に起きる兄弟げんかと聞き分けのなさに感情を抑えきれません」
先ず、決して自分を責めないでください。
母親は生まれた瞬間から、絶えず子どもに意識を働かせ、生命を守り成長を願い、24時間活動しています。ましてや駐在地での就学前のお子さんの子育ては、母親がストレスを溜め込む要因が多々あります。貴女のご苦労に共感するママは大勢いると思います。
ただ、今のままでは貴女の元気が失われるばかりか、子たちの心育への影響も心配されます。心の奥底で子を愛していても、日々子に見せている親の言動から、親が自分を愛していないと子が受け取れば、自尊心を低めてしまいかねません。母親の気持が明るくなり、無条件に愛されていると実感できると、子どもの心は安定し、兄弟げんかも消えていく方向へ進みます。
では、対策をご紹介します。
お母さま自身が自らを肯定的に認め、承認していくことから始めてみましょう。毎夜、自分の長所や頑張ったことを心に留めながら眠りにつきましょう。自分のことを大切にできれば、子どもを尊重し、理解しようと見れるようになります。
次に子どもへの接し方では、子どもは親に自分を見て欲しいものなので、子ども一人一人と向き合う時間を取り、十分に心を満たしてあげてください。下のお子さんは母親と二人の時間があるでしょうが、お兄ちゃんの方は、意識して時間を取ることが必要です。幼稚園から帰宅する際にメイドさんに下のお子さんを預け、「二人でデートしよう」と声掛け、一緒に何かをしながら話を聴くことです。ご主人にも協力してもらい、夫婦で上の子と下の子と受け持つと良いでしょう。
今度、兄弟げんかが起きたら「お母さんはけんかをしている姿を見ると悲しくなってしまう」と自分の気持ちを伝えてみてください。「お母さんは仲良くしている二人となら、一緒に遊びたいわ」と口にされたら、幼児は親と遊びたいので「行動」→「願いが叶う」とインプットします。ただし、遊ぶと約束したら、約束は必ず守ってくださいね。こうした対策を繰り返すうちに、お兄ちゃん自ら「今日はもうデートはいいから、弟のところに早く帰って一緒に遊んであげようよ」と、弟を慈しむ感情が芽生えるでしょう。(コミュニケーション専門カウンセラー 高﨑美佳)
〈連絡先〉カウンセリングルーム「ミカモーレ」(fc.mikamour@gmail.com)