中部ジャワの定番バクミー Bakso TITOTI Wonogiri

 バクミー(肉団子入りそば)といえば、ローカルなワルン(屋台)にはたいていある。中央ジャカルタ・クマヨランにある「Bakso TITOTI Wonogiri」はそのバクミーが看板メニュー。中部ジャワ州ソロが有名だが、ほど近いウォノギリの名物でもある。そしてこのお店、オーナーも店員もウォノギリ出身者がほとんどだというが本当だろうか。

 車の往来の激しい通りに突然現れるオープンな店構え。風通しの良い店内は広々としていて、地元の親子連れやカップルが食事を楽しんでいた。
 メニューは多くなく、メインはバクミーとスープが別盛りのミーアヤム(鳥そば)の2種類。そして、それぞれバリエーションがある。しかし、隣の席では別の一品料理を食べている。気になって話しかけると「Siomay」だと言う。そこで注文したのは定番メニューのバクミー・チャンプルとシュウマイ。この店のシュウマイは濃厚なピリ辛ピーナッツソースがたっぷりかかり、これがゆでたキャベツやゴーヤ、ゆで卵、シュウマイによく合う。1皿1万7千ルピアで量も一人前しっかりある。
 看板メニューの方は、バソ(肉団子)がゴロゴロ、春雨と中華麺の上には牛のホルモンと揚げ豆腐が乗っている。ずっしり具だくさん、これで1万9千ルピア。あっさりスープに塩の効いたバソがほどよく合い、最後まで飽きない。
 バソは卵を使った滑らかなバソ・ハルスと、軟骨入りの食べ応えあるバソ・カサルの2種類。どちらも牛肉を使った手作りだ。仕込みは朝6時に始まり、一日で25キロ分も用意するという。
 レジ担当のリタ・ヘンティさん(20)に話しかけようとすると「日本人?」と聞かれた。リタさんいわく、「地元の人ばかりのお店。あと中華系の人がよく来る」。日本人は珍しいようで目を輝かせていた。
 「実は本店は別にある」とリタさん。壁に夫婦の写真が飾られたオーナーのハジ・シラムットさんは20年ほど前、奥さんと一緒にウォノギリからジャカルタに乗り込んだ。Bakso TITOTIの1号店はパサールミング。今ではジャカルタ首都圏を中心に複数の支店を持つようになった。TITOTIという店名は3人の子どもの名前から取ったそうで、本店の切り盛りは長女のトルヤンティさんに任されている。
 テーブルで丁寧に接客してくれたヤンディ・リヤンドさん(40)は1年ほど前、やはりウォノギリから働きに来た。地元に奥さんを残したままだ。寂しいか聞くと、「去年2~3カ月の休暇をもらったから」と笑顔で話す。同郷同士、仲間の帰省には理解があるのかもしれない。
 ウォノギリは中部ジャワ州の山に囲まれた地域で、火山灰で農作が難しく、集団の出稼ぎが多い地域でもある。しかし、オーナーが同郷の仲間を引き連れ、首都のジャカルタで地元名物料理の店を構え、生計を立てようとした。そんなサクセスストーリーを思い浮かべながら、バクミーのスープを飲み干した。(三好由華、写真も)

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