主体的な行動の生み出し方

 「主体性のある行動が取れない、注意しても変わらない、改善意欲が見られない部下に悩みを抱えています。ただ近頃、自分にも問題があるかもしれないと気づきました。部下を統率できる上司とは、どんな上司なのでしょうか」
 成長願望があり、問題は部下ではなく自分の中にあると気づいたことに感銘しました。ご質問の答えをズバリ回答すると、部下を統率できる上司は、部下と信頼関係を構築できるかで仕事の結果が決まる、と心得ています。それを行動選択の基準にしています。信頼関係があれば、相談も指導も可能になるからです。
 では、どうしたら部下と信頼関係を築けるのでしょうか。部下から見れば、自分の成長を心から願い、活躍する機会を与え、成功へと導くサポートをしてくれる上司ほど信頼されます。その場合の上司の部下へのアプローチには、論理的アプローチと感情的アプローチがあります。
 会社は営利目的の組織なので、収益が上がる姿をイメージし、それを実現するための具体的方法を論理的に指示し、行動を促す上司は、部下には魅力的に映り信頼されます。ただし、ここで注意して欲しいことは、論理ばかり重視し、感情面の配慮を怠ると、失敗するということです。
 具体的には、論理ばかり重視する上司は、往々にして「あーして」「こーして」といった指示になりやすく、部下を否定し、「~すべき」的な口調になりがちです。最悪の場合は、メンタル不調者も出してしまいます。
 一方、感情面を慮る上司は、コミュニケーションにおいて聞く姿勢があるので、部下の欲求をよく聞き、配慮します。言葉を口にする時には、相手の反応をよく見ます。部下は相談に行くほどに自尊心をくすぐられるので、やる気になり、主体性ある行動へと動き始めます。
 このように、部下の主体性ある行動は上司の聞く力により生み出されます。聞く力の本質は共感力です。共感することで良好な人間関係を作り、部下の主体性ある行動を生み出していくことで、企業運営が活性化していくのです。
 ミカモーレは、人材育成とは、人の心を動かす具体的手法を知り、習得し、実践していくことだと考えます。(コミュニケーション専門カウンセラー・家族関係心理士 高﨑美佳)
 本稿へのご質問などは、カウンセリングルーム「ミカモーレ」(mamapre12@gmail.com=アドレス変更しました)まで。

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