都会の喧騒を離れて ラ・ビュー スカイライン一望

 延々と続く渋滞、けたたましく響くクラクション、ひっきりなしに鳴る携帯電話──。エネルギーあふれるジャカルタでの生活は、刺激的だが、知らないうちに疲れをため込んでしまうことがある。そんな時は、ジャカルタのスカイラインを一望できるルーフトップバー「ラ・ビュー」がおすすめ。都会の喧騒から一歩離れて、しばしの休息を取った。           

 ラ・ビューがあるのは、1920年代のオランダ統治時代に植民地政府の電信電話局として建てられた建物を改装したホテル、「ザ・エルミタージュ」の屋上。ホテルのフロントで店名を伝えると、コロニアル調のロビーを抜け、同店に上がるエレベーターまで案内してもらえる。
 エレベーターを9階で降り、プールサイド奥の階段から屋上に上がる。周囲に高層ビルは無く、景色を360度見渡すことができる。ジャカルタの飲食店にありがちな大音量のライブ演奏やクラブミュージックもなく、しっとりと流れるジャズが適度に会話を盛り上げてくれる。
 中央ジャカルタのスディルマン通りを遠望する、西南向きのカウンター席に腰かけた。国営ヌガラ・インドネシア銀行(BNI)の本社ビルや、ムナラ・アストラといった同地区の高層ビル群を眺めながら、飲み物と軽食をオーダー。夕日が落ちるのを待つことにした。
 同店オリジナルのカクテル「インフィニティ・ターコイズ」(15万ルピア)が運ばれてくると、そよ風に乗って、パイナップルの甘い香りが鼻をくすぐった。透き通るようなエメラルドグリーンの一杯は、目でも楽しめる。トロピカルな風味を、ウォッカの苦味とライムジュースの酸味がまとめ上げる。
 軽食はウエイターおすすめの「シーフード・スキュワーズ」(12万5千ルピア)をオーダー。サーモン、ホタテ、エビなどの魚介類をレモングラスで刺した串焼きで、刻みトマトとグレープフルーツを和えた特製チリソースの風味が面白い。
 その他のメニューでは、パスタやピザといった西洋料理のほか、ナシゴレンやガドガドなどのインドネシア料理も取りそろえる。3、4人でシェアできる料理やワインもあり、少人数でパーティーなどをするのにも重宝しそうだ。(高地伸幸、写真も)

◇La Vue Rooftop Bar
住所 The Hermitage, a Tribute Portfolio Hotel, Jl. Cilacap Menteng Jakarta,
☎  021・3192・6888
営業 営業 月~木曜 午前10時~午後11時 金~日曜 午前10時~翌午前12時半

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