笑いあり、涙あり 劇団en塾「殿様の宴」

 インドネシア人大学生による日本語ミュージカル劇団「en塾(エンジュク)」は17、18両日、中央ジャカルタのジャカルタ芸術劇場(GKJ)で、年に1度の本公演(在インドネシア日本大使館共催)を開いた。親子愛などをテーマに和芸を取り入れた演技や歌、踊りで笑いあり涙ありのオリジナル作品「殿様の宴」を熱演。500人を超える観客で満席の会場を最後まで盛り上げた。

 主人公は、唄が苦手で気が弱い、城の跡継ぎ錦之助。ストーリーは、婚儀の前に家を飛び出した錦之助が、「唄を学びたい」と芝居小屋に紛れ込み、身分を隠して座員と接する中で自分の生き方や親子の絆を深く知る、という内容。
 en塾が「笑い」を中心に物語が展開する喜劇に取り組むのは始めてだ。芝居小屋のシーンでは、歌舞伎、長唄、かっぽれ踊り、剣舞、太神楽、南京玉すだれなど和芸をふんだんに取り入れた。団員らは日本から歌舞伎役者や江戸太神楽、殺陣のプロを招いて指導を受け、練習に励んだ。
 芝居小屋を切り盛りする夫婦の妻ナツを演じたタシャ・アンニサさん(26)は「錦之助が何もできないところから、自分を見つけて成長する姿や、親子愛をテーマにした話でとっても好き」と話す。「客席からたくさん笑い声が聞こえ、本番中は力をもらえた」と話した。
 公演はすべて日本語。衣装、舞台美術、演劇各部に分かれ、衣装や音楽、舞台セットなど自分たちで作り上げてきた。コミカルな歌や踊り、セリフで笑いを誘ったほか、和芸を披露すると客席からは拍手が起こった。家族や親子の姿を演じるシーンでは表情や声色、動きなど繊細な演技でぐっと観客をひきこんだ。
 観客として会場に駆け付けたen塾卒団員のディサさん(24)は「最初から最後までとっても盛り上がって、本当に楽しかった。日本の文化がたくさんあるストーリーで、練習もすごく頑張ったことが伝わってきた」と興奮気味に話した。劇団を指導する甲斐切清子さんも「皆さんが『最高』と言ってくれて本当にうれしい」と笑顔を見せた。(毛利春香、写真も)

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