世界最大の直接選挙が始動 投票まで約3カ月 キャスティング・ボード握る大統領
世界最大の直接選挙となる大統領選に向け、立候補する3組が確定した。当選には全土の得票率が50%を超え、38州の過半で20%超の票を得る必要がある。当選要件を満たす候補者がいない場合、6月26日に上位2人が決選投票に臨む。
3組は届け出順に、アニス・バスウェダン前ジャカルタ特別州知事と民族覚醒党のムハイミン・イスカンダル党首のペア、そして闘争民主党(PDIP)が擁立したガンジャル・プラノウォ前中部ジャワ州知事とモハンマド・マフッド政治・法務・治安調整相が続いた。
最終日に名乗りを上げたのはグリンドラ党のプラボウォ・スビアント党首(国防相)とジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領の長男でソロ市長を務めるギブラン・ラカブミン・ラカ氏。選挙法が定める年齢制限がネックとなったが、憲法裁判所がこれを緩和。縁故主義への批判が渦巻く中、出馬に踏み切った。
各陣営の主張に大きな隔たりはなく、キャスティング・ボートを握るジョコウィ大統領の一挙一動が注目されている。大統領の所属政党であり、他党候補とペアを組んだ長男のギブラン氏に闘争民主党は困惑の色を隠せず、メガワティ党首との確執も表面化。次期大統領を選ぶ2月14日の直接選挙に向け、水面下でジャワ式の政治駆け引きが続きそうだ。(長谷川周人、写真も)