68年ぶりの五輪目前に熱狂 U―23アジア杯 逆境からの復活に感動の波
カタールのドーハ近郊で開幕したアジアサッカー連盟(AFC)アジア杯U―23(23歳以下)。7月下旬に開幕するパリ五輪の最終予選を兼ねた大会であり、上位3チームが五輪への出場権を獲得できる。
インドネシアからはU―23インドネシア代表「ガルーダ・ムダ」が出場。4月15日のカタール戦で敗北を喫したが、18日にオーストラリアを1―0で撃破。21日のヨルダン戦は4―1で快勝し、26日の強豪、韓国とのゲームは下馬評を覆し、PK戦を制して歴史的勝利を収めた。
インドネシア代表は今大会のダークホースとして世界の注目を集め、サポーターたちはボールに食らいつく選手たちの姿に熱狂した。
振り返れば、135人が犠牲になった22年10月の「マランの悲劇」では世界のサッカーファンに衝撃を与え、信頼を失墜させた。さらにイスラエル代表のボイコットが国際問題化。国際サッカー連盟(FIFA)U—20W杯の開催権はく奪という恥辱まで味わった。
まさに崖っぷちに追い込まれたインドネシアのサッカー界だが、持ち前の明るさと粘り強さで逆境から復活。昨年5月には東南アジア競技大会(シーゲームス)では32年ぶりに優勝。今回のU―23アジア杯における快進撃が続き、全土に感動の波が押し寄せている。(山本佑)