協力強化で地域平和を ステルス護衛艦初寄港 海上自衛隊
海上自衛隊のステルス護衛艦「くまの」(多目的フリーゲート艦)が5月9日、北ジャカルタのタンジュンプリオク港に寄港した。インドネシア海軍との親善訓練などを通じ、日イ両国の防衛協力の強化を図り、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想を実現する任務を負った。
海自最新鋭となるくまのは、もがみ型護衛艦の2番艦。コンパクトな設計の中で省人化を進め、高いステルス性と多機能性を実現した水上艦となる。
今回は、インド太平洋方面派遣第3水上部隊としての寄港で、シンガポールからジャカルタ入り。同型護衛艦としては初の海外寄港となった。
入港歓迎行事には、金杉憲治駐インドネシア日本大使も参列。「海自とインドネシア海軍の防衛協力が始まったのは1969年。半世紀を超える歴史がある」とあいさつした。今年は日ASEAN友好協力50周年、日インドネシア国交樹立65周年となり、防衛分野でも両国関係をさらに強化して地域の平和と安定につながるよう、強い期待感を示した。
くまの艦長の桜井敦2等海佐ら乗員は、入港翌日にカリバタ英雄墓地を参拝。独立戦争を闘った元残留日本兵の墓に花を手向け、桜井艦長は「両国間の絆の強さを改めて認識した」という。