常夏で育つ果物たち 西ジャワ州ボゴール県 ムカルサリ果樹園
故スハルト元大統領のティン夫人が設立した西ジャワ州ボゴール県にある果樹園「ムカルサリ」は、ジャカルタ中心部から1時間ほどの距離にある。264ヘクタール(東京ドーム56個分)の敷地には、1400種類以上の果実と10万本以上の樹木が育つという。訪れたのは10数年ぶり。当日はイムレック(春節、旧正月)3連休の初日で、家族連れで賑わっているかと思いきや、意外と空いていた。入場には4つの選択肢があり、園内を車で周遊するコース(入場料1人7万ルピア)を選び、日本ではお目にかかれない果物が育つ果樹園に入っていった。
コースに沿って進み、第1ポイントのサラック園に向かう。広い園内ですぐに道に迷ったが、園内の周遊バスで回る集団と遭遇。後についていくと、滝が流れる建物を見つけた。当日は快晴。見た目がとても涼しさを感じさせる。
入園時に案内図を渡されたが、園内に標識がない。サラック園を目指すが、代わってグアバ園を見つけた。グアバは個包装で実っていたが、中には入れなかった。
途中、可愛らしいフルーツのモニュメントを見つけた。スリカヤだった。園内ではスリカヤのほか、所々で果物のモニュメントを見つけた。
ようやく見つけた標識に従って進むとテントが見えた。セキュリティーに尋ねると、ここがサラック園だという。「HUTAN SALAK」と書かれたボードを掲げた入り口から足を踏み入れると、サラック独特の香りがした。歩道を囲む木は幹が刺々しい。後に知ったが、サラックはヤシの一種らしい。日本の気候では、こんな木は見ることはないと思った。香りはするが実はどこかと探すと葉の付け根の方に実っていた。木に実るサラックを初めて見た。
ここには数種類のサラックが植えられていた。奥のテントで入園時に渡されたバウチャーを持ってきてと言われ、車に取りに行ってテントの職員に渡すとマンゴスチンをもらえた。マンゴスチン園もあるらしいが、次の目的地、スターフルーツ園に向かった。
思いのほか、スターフルーツ園には迷うことなくたどり着いた。新聞紙に包まれた実が目につく。係員に聞くと果物好きなハエに食われないようにしているとのこと。奥の方ではハエに食われている実もあった。ハエの嗅覚が敏感なのか、新聞紙を外すとすぐに寄ってきていた。木に実ったスターフルーツは初めて見たが、サラックほどの驚きはなかった。サラックの木のインパクトが強かったからだろう。ここではスターフルーツ1コを収穫できた。
目当てのドリアン園に到着したが、少々殺風景な感じがした。係員に「ドリアンはどこ?」と尋ねたら、頭上を指した。木の上にいくつも実っていた。ここではドリアンを食べることもなかった。それにしても、この実を初めて食べた人間は果たして旨いと思ったのか、不味いと思ったのか気になった。
ドリアン園のあとは湖に向かった。湖畔には飲食店や小さな子どもも遊べるレクリエーション施設や貸しボートもあった。インドネシアに赴任したけれど、子どもを連れてどこに行こうかとお悩みの方には、良い行楽地だと思う。(坂田恵愛、写真も)