観光開発に力が入るマンダリカ 西ヌサトゥンガラ州ロンボク島 「千のモスクの島」
「千のモスクの島」との異名を持つ西ヌサトゥンガラ州ロンボク島。政府による観光開発が進むマンダリカでは、先住民のササック人が暮らす「サデ村」や丘から眺める壮大な海の景色、海を背景に歩く水牛を楽しんだ。まだ手つかずの自然が残る島。野犬や猿に襲われながら得た、旅行情報をつづっていきたい。
ロンボク島の魅力を語る前に注意書きを2つほど。まず、「野犬が驚くほど多い」。海にも飲食店にも道路にも、どこにでも野犬がいる。千のモスクの島なのに「なぜ⁉」と住民に聞くと「誰も飼う人がいないから妊娠して増える一方」だそう。発症したらば一発アウト、ほぼ100%の致死率という狂犬病や動物の持つ感染症には十分に気を付けて観光してもらいたい。また、ロンボク島は人の手が加わっていないありのままの自然が残されている。故に、動物も人なれしていない。食べ物を持って歩いていると野生の猿や犬が襲い掛かってくる。
次に空港の注意点を。州都マタラムにあるマタラム空港は現在稼働しておらず、プラヤにあるロンボク国際空港のみとなる。政府は国家観光戦略特区としてロンボク国際空港から車で30分ほど南下したマンダリカ地区の観光開発に力を入れている。
マンダリカ地区で1番好きな観光スポットとなった、丘「MERESE HILL」。夕日を眺めるならここだ! と地元住民が太鼓判を押すこの丘では、壮大な海の景色が見られる。また、牛が草を食べている様子も近くで観察できる。ここにたどり着く道中では、道路が建設中で「まさに開発途中なんだなあ」と感じた。
ビーチ「SELONG BELANAK」では午後5時ごろ、夕日とともに水牛が海の散歩をする。私が訪れた日は、このビーチにあるカフェの店員さんが「今日は風が強いから水牛は来ないよ」と。いつも旅行に運がつかない私は「またか……」と諦めていたが、急に店員さんが「水牛!!」と声をかけてきた。ビーチに目をやると水牛が歩いているではないか。「全くインドネシア人は!」と少し思いつつ店員さんにお礼を言い、全力疾走。砂浜に足を取られながらも水牛の写真を収めることに成功した。
ラヤ・クタ通りにおしゃれなカフェや海鮮料理などが密集しているのでお腹の誘いに乗り向かった。中でも白人の旅行客で賑わっていたのが「KRNK Bar & Restaurant」。目の前で焼かれるパティと巨大なハンバーガーに目と口が幸せになる。
また、太陽が雲に覆われていたため分からなかったが、住民が最も透明度が高いと口をそろえるビーチ「TANJUNG AAN」も観光スポットの1つだ。 (ロンボク=青山桃花、写真も) =続く