マネージャー業務と愛の関係 (52)
「マネージャーとしての実績が評価され、大きな仕事を任されました。今後も会社からの期待に応えるべく、成長し続けたいです。どのように仕事に取り組めば良いでしょうか」
「愛」を根底に持つ生き方を目指しましょう。「愛」とは人を大切にすること。人を丁寧に扱う行為です。いきなり回答が「愛」と言われ、驚かれたかもしれませんが、企業経営の中核で人権尊重が求められる今、人を大切にする「愛」を学ぶことは仕事とも大いに関係があります。
「愛」は脳の神経細胞の本能です。私たちが愛に生きる時、希望や情熱が湧きます。やる気のホルモンが分泌され、力が湧きます。仕事に集中できれば、能力を発揮しやすく、人との関係作りも上手くいくので、仕事を円滑に進めることもできます。
成熟した大人の愛は、自分だけでなく、他者をも慈しむことができます。だとすると、マネージャーとしての貴方の愛は、部下を育成し、共に力を合わせて会社を発展させ、社会貢献していくことです。信愛を育て、善を目指した仕事をすることで、人格を磨くこともできます。
ただ、愛の実践はそう簡単なことではありません。私たちの自己中心的な思考と真っ向から衝突するものだからです。ならば、どうしたらいいでしょうか。「配慮」「責任」「尊重」そして「知」の4つを持って、部下に接することです。
部下は、成長過程の中で突拍子もない質問をし、無鉄砲なことをしたがるものなので、上司は何かにつけ、本人に問題があるという見方をしがちです。何故、その質問をしたか、何故その行動をしたか、部下の気持ちになり、暖かく見ていくことが大切です。成長の階段に見合った言葉を選ぶ「配慮」をすることで、人間関係の問題を回避します。
「責任」とは、部下全員に対し、真摯に向き合うことです。「尊重」とは、部下の個性を認め、能力・才能を見極め、それを引き出し、その人に成長感を持たせてあげることです。部下が進みたい一歩先に、あなたがそれとなく導く行動をすることです。
最後の「知」とは、配慮、尊重、責任を果たすために、部下の話に関心を持ち、耳を傾けてあげることです。愛を実践することであなたの判断が変わり、あなたの周りの人々と共に成長していくことができるはずです。(コミュニケーション専門カウンセラー 高﨑美佳)
本稿へのご質問などは、カウンセリングルーム「ミカモーレ」(fc.mikamour@gmail.com)まで。