【今日は心の日曜日(49)】兄弟姉妹の育て方
「次女が、学校でみんなの面前で先生に注意されてから塞ぎ込んでしまい、何とか言い含めて登校させています。長女はこうした問題は一切ありませんでした。同じように育てているつもりですが、心配です」
学校での出来事は、お子さんを知る上で大切な情報です。ただ、お子さんに起きている問題を先生の指導に問題があったという視点だけで見ないようにお願いします。もちろん学校の対応に問題がある場合もありますが、親の子どもへの接し方が原因で、心育に影響を及ぼしているケースが多々あります。だから、子ども自身に「しっかりしなさい」と注意しても、問題は解決しないのです。
「学校で起きたことはキッカケに過ぎず、大抵は、家庭に見直すべき課題が潜んでいます」
私がこうお話すると、ご父兄の反応は様々です。「私の育て方に問題がある」と自分を責める親もいれば、「うちの家庭環境に問題があるとでも言うのですか!」とプライドのある教育熱心な親ほど気分が悪そうに表情を変えます。「主人がマイペースで、子育ての相談ができません」「妻が過干渉過ぎるのが問題では」と片親の不満を聴くこともあります。
ここは冷静になってください。誰それが悪いと犯人捜しをし、責任転嫁をしているうちは、お子さんは決して良い方向には向かいません。
よく「姉妹(兄弟)同じように育てたのに」という声も聞きますが、家庭環境は同じでも、子どもの個性・気質は一人一人が違うので、個々のお子さんへの接し方を変えることが必要なのです。親がそこに気づかず、長子を育てた経験から、「どうして〇〇ちゃんはそうなの? お姉ちゃんは……」と思ったままに言ってしまうと、下の子は「比較された」「否定された」「自分が悪いんだ」と受け取ります。
下の子も親に認められたいのは同じなので、年齢差があるにもかかわらず、いつまでも長子の後を追いかける宿命です。長子が褒められがちな下の子の場合は、学校でも「○○の妹だな、お姉ちゃんは……」などと言われてしまい、追い詰められてしまいます。
対策としては、親がその下の子とだけの時間をあえて作り、一緒に何かをする中で受容し、認め、褒めてあげることです。「愛しているよ」と親の気持ちを伝えてあげることが、子どもが人生を生き抜く糧となります。(コミュニケーション専門カウンセラー 高﨑美佳)
本稿へのご質問などはカウンセリングルーム「ミカモーレ」(fc.mikamour@gmail.com)まで。