いつまでゲームやってるの㊤

 「子どもがゲームばかりし、ダラダラ過ごしているので注意したら、これまで見たことのない怖い目つきで、ドアをバタンと閉めました。何度と言っても、聞く耳をもちません」
 問題が深刻化する前に、お母様が気づいたことが幸いです。3つの対策を提案します。
 一つ目は、ゲームがやめられないことで身体を不健康に蝕む怖さを、愛情を持って説明することです。二つ目は、ゲームの快感に勝る真の喜びを、子どもに感じさせることです。三つ目は、対策1と2の効果をあげるためにも、親が子育てを通じて成長する信頼関係作りのコミュニケーション術を身につけることです。
 おそらく、注意し続けても効き目はないと思います。「お母さんは怒っている」という感情の情報だけが脳に伝わり、「嫌だな」「うるさい」「聞きたくない!」になれば、お母さんの声が嫌いなります。お子さんの目はそのシグナルです。
 本日はまず、対策1のお話です。私達の脳には、重要な役割を担う神経伝達物質が3つあります。幸せ快感ホルモンを分泌する「ドーンパミン」。危険察知、不安、恐れから分泌される「ノルアドレナリン」。その二つを中和させる働きのある安心、安定のホルモン「セロトニン」です。心身共の健康は、この3つの神経伝達物質のバランスが良い状態を指します。
 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下では、不安、恐れ、緊張が強いため、ノルアドレナリンが活発に働き、セロトニンが不足になりがちです。この時、私たちの身体の機能は自動的にドーパミン不足を補います。
 アルコール中毒、多額の買い物、拒食、過食、薬物、ギャンブル、浮気、ゲームのやり過ぎなどの依存症は、愛と喜び、幸せのドーパミン神経回路を使うので、悪習慣なのに脳が喜んでいる状態と認識され、止められなくなります。
 ゲームが厄介なのは、達成感を与えてドーパミンが得られるようプログラミングされており、依存して行くうちに、ブルーライトによる覚醒、自律神経の乱れ、昼夜逆転、身体の不調をきたす恐れがあることです。
 悪習慣は、不幸の連鎖を引き寄せます。不幸になるマイナス(-)の種蒔きを自分がしているとは、何とも怖い話とは思いませんか。
対策1を成功させるポイントは、目を見て、声のトーンを落とし、ゆっくりとした口調で、いかに愛情を持ってお話できるかです。
子ども自らそんなことは嫌だと思わせるプラス(+)の種をまけるかで、色々なことが変わり始めます。
(コミュニケーション専門カウンセラー・家族関係心理士 高崎美佳)
 本稿へのご質問などは、カウンセリングルーム「ミカモーレ」(mikamour.fleur@gmail.com)まで

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