約150種の居酒屋メニュー コタ地区で開業半年 居酒屋 次郎
12月の週末、西ジャカルタ・コタ地区の美術館を訪ねた後、ランチをしようと、日本食の店をネットで探した。和食の店が少ないコタ地区。ヒットしたのが、「居酒屋 次郎」だった。こんなところに、居酒屋があったとは……。
ガジャマダ通りの古代中国様式の建物が残る「チャンドラナヤ」の一角に店があった。中華風の中庭もあり、インドネシアとは思えない不思議な雰囲気だ。店に入ると、格子柄の木彫や浮世絵をイメージした壁の装飾が目に入る。
知人の勧めで注文したのは、チキンカレー。看板メニューの一つだ。カレーの上に大胆にトッピングされたチキンにスプーンを入れると、簡単に身がほぐせた。みそ汁ときんぴらごぼう、漬物とデザートが付いて、6万8千ルピア(ランチ価格)。日本と変わらない味わいに、ほっとした。
店長の小梅雅大さん(31)によると、次郎は2018年5月にオープン。敷地所有者が、日本の居酒屋文化が好きで、開業を決めた。日本で料理人をしていた小梅さんは、知人を通じて、次郎の開業を知り、同年2月に初来イした。
店の特徴は、日本の居酒屋や家庭で出てくるような素朴なメニューをそろえていること。「お母さんの作った料理の少しおいしい版」と小梅さんは、こだわりを表現する。料理にあえて創作を加えず、安定した味を大切にする。
目を引いたのは品数の豊富さだ。分厚いメニューを広げて数えると、食べ物だけで149種類に上った。串焼きだけでも24種類。居酒屋の定番メニューは一通りそろえている印象だ。「居酒屋なら、おつまみからしめまで一つの店で完結したい」(小梅さん)という思いから、徐々にメニューを増やしたという。
次郎はまもなく開店7カ月。オープン当初は、日本人への口コミが広がらず、客層はインドネシア人や中国人が中心だった。しかし、最近になって、日本人客も増え、週末の夜は満席に近い日もあるという。
おでんや春巻きをいただき、店を出た。たちまち、中国の古代の雰囲気に包まれた。全82席のうち、半屋外の席もある。中国、インドネシア、日本の3国が融合した空間で、ビールを飲みたい気分になった。(木許はるみ、写真も)(木許はるみ、写真も)
◇居酒屋 次郎
住所 Gedung Green Central City
UnitCN/GF/06, Jl. Gajah Mada No.188
Jakarta Barat
☎ 021・630・9971
営業時間 午前11時30分~翌午前0時