回復基調のインドネシア経済
クナパくん 新型コロナウイルスの影響もあったけど、昨年のインドネシア経済はどうだったのかな?
記者 インドネシア中央銀行のペリー・ワルジヨ総裁は1月17日、昨年2022年の第4四半期の経済成長率が、前四半期の5.72%から4.81%に減速したとの見方を示したね。通年の経済成長率を精査しているようだけれども、通年予測値は、現時点で5.25%としているよ。
クナパくん 5%台って良い数字なの?
記者 中国は、22年の経済成長率5.5%を目標にしてきたけど、最終的に3.0%にとどまる見込みと発表したね。世界銀行は世界経済成長率を2.9%と現時点で推計しているよ。これらの値と比較しても、インドネシアは優等生とわかるね。ちなみに、日本の経済成長率は国際通貨基金(IMF)の推計で2.4%。残念ながら、世界平均を下回っているよ。
クナパくん そうなんだ。
記者 観光業など、新型コロナの影響が強く残る産業がある中での5%成長はすごいね。これは自動車販売台数にも表れているよ。「自動車販売台数」は、景気が良くなっているか悪くなっているかがわかる指標といわれる。自動車は、鉄やゴムや機械など様々な部品で成り立っている。つまり多くの産業と結びついているからだね。しかも、自動車は1台1.5億ルピア以上するので、家計に余裕がある状態ではないと簡単に購入できないしね。自動車の販売数が増えれば増えるほど、その国の経済が回っていると判断できる指標なんだ。
クナパくん インドネシアでは去年どのくらい自動車が売れたの?
記者 ガイキンド(インドネシア自動車工業会)は、工場からディーラー(卸売)への自動車総出荷台数が昨年、104万8040台と前年と比べて18.1%増加、小売(販売店から消費者への納品)では、101万3582台と前年と比べて17.4%増となったと発表したね。ピークだった13年の123万台にはまだ及ばないけれども、18年が115万台だったので、半導体不足など問題の多い状況においても回復基調だね。今年も経済成長率が5.0%と予測されていて、自動車販売台数も好調だろうとガイキンドは期待しているよ。
クナパくん 今年も頑張るインドネシアだね。