持続可能性のシンボル

クナパくん インドネシアで、ジンベエザメが増えているという報告があったね。
記者 そう、プルタミナ国際海運(PIS)社と環境・林業省(KLHK)の共同モニタリングチームが、中部パプア州ナビレ県クワティソールのチェンデラワシ湾(極楽鳥湾)にある国立公園地域(TNTC)で、ジンベエザメが増えていることを確認した。ジンベエザメはIUCN(国際自然保護連合)やWWF(世界自然保護基金)で、絶滅危ぐ種【EN】指定。分類は危ぐの高さ順に【CR】Critically Endangered:絶滅危ぐIA、【EN】Endangered:絶滅危ぐIB、【VU】Vulnerable:絶滅危ぐⅡ類の3つのカテゴリーに分けられている。絶滅危ぐ種となった主な原因は、フカヒレなどの食用としての漁獲、誤って漁具に絡まる混獲、船との遭遇事故などという。海洋ごみによる影響も、最近注目されているよ。
クナパくん 個体数が増えているというのは朗報といえるね。
記者 そう。昨年11月から共同モニタリングを続け、ジンベエザメの保護やタグ付けなどを行い、今年5月現在、モニタリング開始前の観察値の195匹と比べて確認した個体数が203匹に増えたとのことだよ。このチームは、今回の発見が6月8日の世界海洋デー(国際海の日)と重なったため、「海洋における生物学的持続可能性のための特別な贈り物となった」という表現で重要性をアピールしたね。
クナパくん 今さらだけど、ジンベエザメはサメだよね。
記者 そうだよ。軟骨魚類(エイ・サメ)の仲間で、世界最大の魚だね。体長は平均5〜10㍍、大きいものになると18㍍ほどだ。
クナパくん 名前も面白いね。
記者 この和名は、背中が甚平模様に見える事に由来しているね。世界の温帯・熱帯海域に生息しているので、日本でもおなじみだよ。英語名はその巨体からWhale shark(ホエールシャーク)。主食は動物性プランクトンで、人を襲ったりしないおとなしい性格だね。ダイバーにも人気があるんだ。だからこの国立公園はジンベエザメと一緒に泳げる、エコツーリズムスポットとなっていて、海外からも観光客が訪れているよ。ちなみに8月30日は国際ジンベエザメの日だ。
クナパくん 豊かな海にかこまれたインドネシアの持続可能性のシンボルかつバロメーターだね。

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