「普通が戻った」を実感 3万人参加 年越しカウントダウン
大晦日の夜にジャカルタの目抜き通りを歩行者天国として開放するカーフリーナイト。コロナ禍という長いトンネルを抜け、3年ぶりに復活した。「スダ・ビアサ(普通が戻った)」。夜空を彩る手持ち花火に歓喜の声を上げ、市民3万人が新年の幕開けを祝った。
カーフリーナイトが実施されたのは、スディルマン~タムリン通り。警察当局は当初、公共バスの運行は継続するとしたが、「数日前にルート変更を決定した」(交通整理担当の警官)という。
密集を避ける長い日々が続き、群衆の中に身を置く違和感を感じながらも、銀行員のスパルモさん(34)は「『普通』が戻ってきた。感染再発は警戒すべきだが、2023年こそ元気を取り戻したい」と嬉しそうだった。
一方、今回のカーフリーナイトで目を引いたのは、ごみのポイ捨てが激減したこと。主催するジャカルタ特別州政府は例年、5千人を越える清掃員を配置してきたが、今年は3千人余りと大幅に縮小した。
にもかかわらず、少なくとも首都中枢のタムリン通りではポイ捨ては減り、サリナ・デパートの特設ステージでは司会者が「ごみは持ち帰るか、ごみ箱へ。インドネシアが変わったことを世界に示そう」と連呼。屋台の出店を認めなかった影響は大きそうだが、20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の成功などを背景に中進国として次の一歩を意識し始めたのかもしれない。(長谷川周人、写真も)