新首都の前にもう1州
クナパくん インドネシアに38番目の州が誕生したね。
記者 南西パプア州だね。12月9日にインドネシア政府は、パプア南西部の新自治州設立を正式発表した。この州はこれまでの西パプア州を切り分けた形になるよ。国会(DPR)は4月12日にこの計画を承認し、6月30日、パプア新州に関する法案を法律として成立させた。最終的にパプアは6つの州を持つことになっているよ。まだ誕生していないのは北パプア州だね。
クナパくん 僕たちは、次の州は新首都となるヌサンタラだと話していたけど、違ったね。新しい州の整備は何のためなのかなあ?
記者 ティト・カルナヴィアン内務相は、ジャカルタで行われた新州発足式で、「新州の設立は、公共サービスを最適化し、人々の福祉を向上させるため」で、「新州の知事代理は政治的安定と安全を維持しながら、地方行政組織を形成する」、「今後、南西パプアの職員は、遠く離れた西パプア州の州都マノクワリにいる職員と、政府・行政に関する調整や連絡をとる必要がなくなる。彼らはソロン市の役人とだけ連絡を取ればよい」との声明を発表している。言ってみれば、自治性の向上をいうのが公式な見解だ。南西パプア州は、ソロン県(ソロン市)、南ソロン県、ラジャ・アンパット県、タンブラウ県、マンベーラモ県を管轄することになる。
クナパくん その言葉通りに自治性が向上すると良いけど……。
記者 パプアの状況はとても複雑だね。パプア全域には、異なる言語、文化を持つ200以上の部族がいるんだ。住民は、古くからの先住民であるパプア人と、アウストロネシア系諸民族に分かれるよ。アウストロネシア系諸民族はさらに、古い移民で先住民に含められるメラネシア人と、インドネシア領時代に入ってからの最近の移民に分かれるしね。しかも、官僚機構や貿易活動は、基本的には非パプア人、つまり、最近の移民であるマカッサル(南スラウェシ)州出身の人たちによって運営されているね。これまで、メディアの活動も制限されてきたよ。
クナパくん 多様性の国インドネシア——。すべての人々が平和で豊かな生活が送れますように。