被災地に広がる疲れと不安 低所得者層を直撃 チアンジュール地震

 西ジャワ州チアンジュール県で11月21日、マグニチュード5・6の地震が発生。300人を超える死者が確認され、避難生活の長期化が予想される中、11万人に迫る被災住民の間に疲れと不安が広がっている。
 国家防災庁(BNPB)によれば、震源地に近いチチャダス村で起きた大規模な土砂崩れで多くの住民が生き埋めとなった。救助部隊は、災害救助犬による行方不明者の捜索などを続けているが、BNPBの現地指揮官は「土砂は深いところで10㍍近く堆積している」と説明しており、救出活動は難航している。
 被災地はグデ山の南東に広がる農村地帯に集中しており、被災者の多くが低所得者層の農民で占める。このエリアを貫く国道は発災から3日後に復旧したが、被災住民がテント暮らしを強いられる「ポスコ」と呼ばれる避難所は、国道から奥まった地域に点在している。
 支援物資は陸路と空路で続々と被災地に到着してはいるが、目立たない農村地帯の避難所は素通りされて物資が届かない。特に民間企業は被災地の位置を把握しておらず、支援物資の供給が国道沿いの避難所に集中する問題も起きている。
 また、支援物資を運ぶ車両が急増しており、被災地では渋滞が深刻化。震源地のほぼ真上にあるガソル村の場合、国道から約5㌔の距離だが取材時は3時間近くかかり、本格的な復旧作業までなお時間がかかりそうだ。(チアンジュール県=長谷川周人、写真も)

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