サッカー史に残る悲劇 事件発生から1カ月
東ジャワ州マランのサッカースタジアムで10月1日、130人以上が死亡した事故が発生してから1カ月以上が経過した。試合に負けたチームのサポーターがグラウンドになだれ込み、これを鎮静化しようと軍や警察が催涙弾を発射。混乱したサポーターが出口に殺到し群衆雪崩が発生、多くの人が窒息死や圧死した。
国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長は「サッカーに関わるすべての人にとって暗黒の日だ。インドネシアで起きた悲劇に、サッカー界はショックを受けている」と声明で批判した。
事故について、現地を視察したジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は、「スタジアムの鍵が掛かった出口と急階段に問題があるように見える」と発言するに止め、催涙弾を使った軍や警官の対応については触れなかった。
モハンマド・マフッド政治・法務・治安調整相によると、3日時点で容疑者認定されたのは警官3人を含む6人。今後、容疑者数が増える可能性もあるという。また、国家警察は東ジャワ州マラン県警のフェルリ本部長のほか、9人の地元警察幹部を更迭している。
政府は今後、サッカー競技における混乱を鎮静化する警備手段として催涙弾を使用しないとし、「新たな安全基準作りはFIFAの安全基準作りを参考にする」としている。死者130人以上を出したスタジアムは、大統領が解体を決定した。(長田陸)