猛追する中韓勢 ヒュンダイ、ブース拡大 GIIAS
東南アジア最大級の自動車展示会「ガイキンド・インドネシア国際オートショー(GIIAS)」が8月に開催された。今年は25ブランドが出展。オープニング式典では伝統舞踊が披露され、会場を盛り上げた。また、韓国や中国が電気自動車(EV)市場で先行する中、日系自動車メーカーも電動化に向けた動きがあった。
会期中の制約台数ではトヨタが5434台と最も多かった。2番目に多かったのは韓国のヒュンダイで3619台。しかも同社EVは11月にバリで開催予定の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で首脳級専用のオフィシャルカーとして採用され、存在感を高めている。
ヒュンダイはまた、年々展示ブースを拡大している。コロナ禍前にあたる2019年のGIIASでは他社の展示ブースと比較すると、2~3番目に小さかった。しかし、新型コロナの影響で2年ぶりの開催となった21年はトヨタやホンダと肩を並べる展示ブースを設けた。そして今年、トヨタに対峙する形で堂々の大型ブースで出展した。
EVでは中国EVの売れ行きが好調だった。8月に生産開始を正式発表した上汽通用五菱汽車(ウーリン)のEV「エアEV」は会期中に約550台売れたという。同社の制約台数は約1200台で、エアEVは全体の4割強を占めた。
政府は60年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げており、EV普及に注力する。EV市場で勢力を拡大する中韓勢が日本車の牙城を切り崩しにかかる。(文・長田陸、写真・長谷川周人)