食虫植物の新種発見!
クナパくん ウツボカズラの新種がインドネシアで見つかったんだって?
記者 うん、北カリマンタン州のカヤン・メンタラン国立公園の近隣で発見されたんだ。2カ月ぐらい前にチェコのパラツキー大などの国際的な研究チームが、植物学誌フィトキーズに発表したよ。
クナパくん なぜ新種なのかな?
記者 今回の新種は、「ネペンテス・プディカ(Nepenthes pudica)」と命名されたんだ。160種の食虫植物が分類されるウツボカズラ属の仲間だよ。ウツボカズラは食虫植物として知られているよね。葉が変化した捕虫袋があり、その中へ落ちた獲物を栄養源にしているんだね。新種のネペンテス・プディカは、この袋状の部分が地面の下に伸びている、つまり地中で獲物を補足しているのが特徴だよ。獲物を地中で捕獲する種は存在していなかったんだ。
クナパくん 地面の下には昆虫などの獲物が多い気もするけどね。
記者 地中で捕食する食虫植物は珍しく、ほかにゲンセリアナ、タヌキモ、ウトリクラリアの3種類がわかっているだけだよ。ただ、この3種類も昆虫などではなく、微生物を補足しているんだ。この新種のウツボカズラが生息しているのは標高1100〜1300メートルの比較的乾燥した山の尾根で、このあたりの地下空洞は湿度など環境が安定している。乾季には獲物が多いという生息環境によって、地下のトラップが進化したのではと論文内で仮説を立てているよ。隣接する国立公園内は調査できていないけど、生息地も公園の外の4平方キロと限られた場所らしいよ。
クナパくん 地中に昆虫を補足する袋を形成するってすごいんだ。
記者 袋は最大で11センチだったとのことだよ。見つかったウツボカズラの捕虫袋には、蚊の幼虫や線形動物、それと、同じく新種とみられるミミズの一種など、数多くの生物がいたと報告されているよ。
クナパくん またまた新種発見だね。カリマンタンは生物多様性のホットスポット(絶滅危惧種が多く生息し、保全が急がれる地域)となっているよね。そして、同じ島に、もうすぐ新首都ヌサンタラができるんだね。