この海を共に守る 迫る中国の軍拡脅威

 5月下旬のマカッサル海峡。その日は風一つなく、海はべた凪だった。乗り込んだ「カリマサダ」はインドネシア沿岸警備隊の所属する巡視船。艦橋にはフィリピン、そして日本の海上保安庁から派遣された将官らがいた。地域の海洋保全などが目的の3カ国合同訓練は、コロナ禍で3年ぶりの実施となった。
 参加した船艇は計20隻。この中で圧倒的な存在感を示したのが海保派遣の巡視船「みずほ」だ。2019年に配備された海保最大級の巡視船で全長は約130メートル。海上自衛隊の主力護衛艦「たかなみ型」が約150メートルだから、ほぼ互角といえる。放水訓練でも100メートル超の射程距離を誇る放水銃が、飛距離も水圧も両国船艇にその能力差を見せつけた。
 6月10日、岸田文雄首相がシンガポールで開かれた「アジア安全保障会議」で講演。「南シナ海において『ルール』は守られているか」と問いかけ、今後3年でインド太平洋諸国に巡視船の供与などを約束した。
 海の「ルール」を守る沿岸警備隊がソフト面で結束を固めるなら、防衛装備品を含むハード面でも日本の存在感を示す必要もあろう。海洋進出を急ぐ中国は南シナ海に人工島を建設。制海権に加えて制空権、そしてミサイル配備に道を開く洋上の軍事拠点を着々と整備している。日本のシーレーンを守るためにも、残された時間はそう多くないはずだ。(マカッサル=長谷川周人、写真も)

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