ぶらり一周 ジャカルタの中央駅 ガンビル駅
待ちに待った移動解禁のレバラン。陸・海・空の交通機関はどれも帰省や旅行をする方があふれ、観光地は活気がみなぎっていたというお話も耳に入ってきています。今回のおすすめ観光情報は、このレバラン連休に旅行や一時帰国をされた方にもまだ控えている方にも役立つ、インドネシア・ジャワ島鉄道旅の出発点「ガンビル駅」を紹介します。
ガンビル駅の今の原型が完成したのは1993年、日本の国際協力事業による高架化・電化を含むコタ駅からマンガライ駅にかけての高架駅建設のプロジェクトによるものだそうです。インドネシアの鉄道といえば日本の中古電車が活躍していることですっかりお馴染みですが、ジャカルタが居心地の良い街、なんとなくほっとするような空気感の街だと思えるのは、見慣れた日本の電車が走っているのと同時に、駅や高架線路の雰囲気も日本によく似ているからなのかも知れません。そんなガンビル駅、現在は日本の中古電車が停車するジャカルタ首都圏通勤線の駅ではなく、バンドン、チルボン、ジョグジャカルタ、スラバヤなど中・長距離線の駅として利用されています。
レバラン初日のガンビル駅、週末の出発ラッシュは少し落ち着き大混雑とまでは行かないものの、ベンチに座りきれないくらいの人達が改札時間を待っていました。各所の出入り口付近にはインドネシア国鉄のマスコット「ロコくん」が感染防止対策のプロトコル厳守を促す看板が設置してあり、利用客も皆きちんとマスクを着用しています。出発前の陰性証明が必要な人用に駐車場には大規模な検査場もありました。
改札口があるのはサウス・ホールという一番大きなホール。事前購入した予約券を乗車券に打ち出すチェックイン機もこのホールにあります。待合用のベンチ、コンビニ、カフェなど一通り必要な物は揃っているほか、早朝から深夜まで営業している手荷物一時預かり場所もあります。天井から吊り下げられた巨大電光掲示板からは繰り返し発着案内が流れ、改札口上のモニターでは国鉄のイメージ動画が放映されています。明るく開放的な駅舎でこれから始まる鉄道旅への期待も高まるというものです。
さて、普段はあまり行くことのない2階にも行ってみましょう。実はここには地方からの利用者、深夜早朝の出発者にはとても嬉しいふたつの設備があるのです。ひとつはその名もレール・トランジット・スイート・ガンビル。4時間からの利用ができて、1日の宿泊の場合は朝食も付いています。客室設備はミニマムですがプライベートスペースで休みたい人にはとても便利です。また、日本のカプセルホテルにインスパイアされた狭小ホテルがちょっとした流行の中、二段ベッドタイプの「ポッド・ルーム」ならさらにリーズナブルに休むことができます。もうひとつは、寝る程ではないけどスッキリしたい、という人にはピッタリのシャワーブース。1回最長45分までお湯の出るシャワーが浴びられるというので仕事帰りの出発や、ガンビル駅に到着後すぐに予定がある方などには有難いサービスです。仮眠やシャワーほどではないけど、ちょっとだけ疲れを取りたいかな…という方なら、もう一度サウス・ホールに戻れば有料の足マッサージ機もあるので利用してみては。また、駅舎の外側には手洗い所、自転車置き場、独立記念塔をバックに写すインスタ映えスポットなどができていて、小さな進化がまだ続いている様子が見られ、止まることのないエネルギーを感じました。
ガンビル駅利用の達人さんもどうぞ改めて駅舎や周辺の施設を楽しみながら、また、今回の連休ではタイミングを逃してしまったけれどという方もぜひ次の機会にガンビル駅より鉄道を利用して素敵な旅をしてみてください。(日本旅行インドネシア 水柿その子 写真も)
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