金メダルの舞台裏
クナパくん 東京で開催されているオリンピックでインドネシアの選手が活躍しているね。
記者 開会式の翌日、早々にウェイトリフティングでメダルを獲得した。
クナパくん インドネシアでは金が産出されるけど、遠慮しないでどんどん金メダルを取ってほしいな。
記者 そうそう。インドネシアの金の産出量は昨年、130トンになって世界で第7位になるんだ。
クナパくん そもそもオリンピックの金メダルは全部金なの? だとすれば、かなり重いだろうね。
記者 いや、残念ながら金メッキなんだな。オリンピック憲章によると、メダルの大きさは直径60ミリ以上、厚さは3ミリ以上と定義されている。1位と2位は銀製のメダルで、純度1000分の925以上でなくてはならない。この銀製のメダルに6グラム以上の純金で金張りかメッキをほどこし、金メダルになるんだ。
クナパくん じゃあ、金メダルと銀メダルの差は金6グラム?
記者 オリンピックで金メダルを獲得するというのは、まさにアスリートたちの夢。それ以上の価値があるから、単純に6グラムではないけどね。
クナパくん 今回の東京オリンピックのメダルは、みんなが資源を持ち寄って作ったのかなあ?
記者 「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」だね。環境にやさしく資源を有効に生かすという意味と、「おもてなし」という意味を込めて、全国の自治体の9割が参加している。使用済みの携帯電話などを持ち寄って、オリンピック・パラリンピックに必要な約5千個のメダルを作った。回収確保した金属量は、金は約32キロ、銀は約3500キロ、銅は約2200キロだそうだ。
クナパくん 「都市鉱山」って、なんだろう?
記者 地上に蓄積された工業製品を都市に眠る鉱山資源とみなすこと。電子機器内にある基盤は「都市鉱石」と呼ぶんだ。天然資源が豊かなインドネシアに比べて日本は天然資源が乏しいから、都市鉱山は魅力だね。ただ、携帯電話1台に100円程度の希少金属しか含まれないから、取り出す手間やコストをどう削減するか課題だね。
クナパくん ひと手間かけたおもてなしのメダルだね。インドネシアの選手の活躍で、より多くのおもてなしのお土産を期待しようよ。