レバラン〝特需〟
クナパくん レバラン(断食月明け大祭)となると、消費が増えるってなぜなの?
記者 レバランはラマダン(断食月)が明けて祝うイスラム教の宗教行事だね。断食中は早朝4時ごろから夕方6時ごろまで飲食などを絶ち、禁欲的な1カ月を過ごす。これを乗り越え、家族が顔を合わせて祝うのがレバランだ。日本のお正月に例えられることがあるけど、やはり食事も少し贅沢をして、服も新調するといった習慣があるね。
クナパくん なるほどね。だから伝統市場にはたくさんの人が押し寄せるんだね。
記者 そうだね。レバランを控えた今月上旬には、中央ジャカルタにある東南アジアでは最大級といわれる繊維市場、タナアバンに1日で10万人に迫るムスリムの人たちが繰り出したよ。治安部隊は出動するし、電車は止まるし、大変な事になった。
クナパくん それでもみんな服も新調して、ささやかかもしれないけど新たな気持ちでレバランを迎えたいという訳だね。
記者 今年も新型コロナウイルスの感染拡大で寂しいレバランになってしまったね。みんなが楽しみにしていた帰省も禁止されるし、気持ちはわかるなあ。
クナパくん コロナ禍。みんな、辛い思いをしているね。
記者 レバランで定番の食事といえば、オポール・アヤム(鶏肉のココナッツミルク煮)やクトゥパット(ちまき)があるよね。でも、経済が停滞して生活に困窮している人も多く、僕が住むアパートのセキュリティは「即席麺で過ごすレバランは生まれて初めて」と嘆いていた。
クナパくん 1日も早いコロナ問題の収束を願うばかりだね。来年こそみんながおいしいオポール・アヤムを家族そろって食べられるといいなあ。