今こそ紅茶はいかが?

クナパ君 新型コロナウイルス対策「社会的大規模制限(PSBB)」が再強化されたね。不自由な生活にストレスたまっちゃうよ。
記者 こんな時こそ紅茶でリラックスだ。
クナパ君 ん、紅茶? インドネシアといえばコーヒーだと思ってたけど。
記者 国連食料農業機関(FAO)の統計によると、2016年時点でインドネシアにおける紅茶の生産量は14万4000トンで世界7位。確かに世界4位で年間約61万トンを生産しているコーヒーに比べると存在感が薄いかもしれないけど、オランダ統治時代、セイロンなどに並ぶ紅茶の一大生産地だったんだ。
クナパ君 そうなんだ! インドネシアの人はどんな風にお茶を楽しんでいるの?
記者 カキリマ(移動式屋台)やワルン(屋台)などでよく出されるストレートティーの「テー・タワール」はいわゆるジャスミン茶。スーパーマーケットでもたくさんの茶葉が売られていて、安いのにとても香りが豊かだよ。一方、アチェなどで供される「テー・タリック」は、練乳たっぷり、ミルクティー。高い位置から注いで泡立たせるのが特徴で、シナモンの香りがエキゾチックだね。
クナパくん 他には?
記者 素焼きの茶色いポットと、小さい湯飲みで飲む「テ・ポチ」が有名だ。中部ジャワ州トゥガルが発祥とされているけど、ジャカルタでもよく見かける。カップに氷砂糖を入れて、少しずつ溶かしながら飲むんだ。あと、古都ジョクジャカルタには「パテハン」と呼ばれる伝統的な茶道もあって、伝統舞踊や音楽を楽しみながらお茶を楽しむ。もともとは王宮で広まったものらしい。
クナパくん インドネシアのお茶文化は、独自の進化を遂げてきたんだね。
記者 その通り。だけど、今や世界的ブランドに成長したトラジャコーヒーのような存在感は、残念ながら紅茶にはない。輸出される茶葉も多くはブレンド用で、他国産の茶葉と混ぜて売られているそうだ。地理的にもインドネシアは、国土の大部分が良質な茶葉が産出される「ティーベルト」に属している。絶対、おいしい茶葉ができるはずなのに……。
クナパくん インドネシアの紅茶産業の今後に期待だね。(池田翔太)

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