通りの名前になった偉人たち

クナパ君　中央ジャカルタのスディルマン通りに、男の人が敬礼している大きな像があるよね。いつも気になってたんだけど、あの人は誰？
記者　スディルマン将軍。インドネシア軍の最高司令官として、独立戦争を戦った人物だ。
クナパ君　え、じゃあスディルマン通りって、あの人の名前が由来なの？
記者　そうだよ。同じスディルマン将軍の名前を冠した通りはジャカルタ以外の都市にも結構あって、旅先でたまたま見つけたりすると、親近感が湧くね。ちなみに、スディルマン将軍の像は市ヶ谷の防衛省にも飾られている。インドネシア国防省が2011年に贈ったそうだ。
クナパ君　インドネシアって、通りに偉人の名前を付けることが多いの？
記者　結構多いみたいだ。すぐに思いつくだけでも、スディルマン通りとスマンギ交差点で交わる「ガトット・スブロト通り」、スディルマン通りから北上した「タムリン通り」、ポンドック・インダの「カルティニ通り」などがある。それぞれ独立戦争時の軍人、民族主義運動の指導者、女性解放運動の先駆者の名前が付けられている。
クナパ君　そうだったんだ。
記者　もっと昔の人物だと、14世紀に即位したマジャパヒト王国のハヤム・ウルクとその宰相ガジャマダはそのまま、西ジャカルタのハルモニとファタヒラ広場方面をつなぐ通りの名前になっている。
クナパ君　コタに中華料理を食べに行く時によく通る、あの道だね。他には？
記者　とてもじゃないけど全部は挙げられないよ。面白いところだと、左翼革命家のタン・マラカや19世紀に対オランダ抵抗運動を指導したジョクジャカルタのディポネゴロ王子は、旧宗主国オランダでも通りの名前になっているそうだよ。
クナパ君　それはすごいね！僕も通りの名前になるような、偉人になりたいな。
記者　君はサイだけどね。（高地伸幸、写真も）