快走する日本の205系
クナパくん 「大規模社会的制限(PSBB)」のためか、ジャカルタも渋滞がなく青空だね。そう、そう。環境に優しいといえば、ジャカルタの鉄道に日本の車両が増えた気がする。前に都営三田線に始まったと聞いた覚えがあるけれど。
記者 多くの日本の中古車両がジャカルタで活躍しているので、日本の鉄道ファンの間でも有名だよ。
クナパくん 確か、基本的なシステム「集電システム、軌間(ゲージ)狭軌(1067ミリ)」は同じなので、大きな改良もなく、使えるのだったよね。
記者 良く覚えているね。ただ、厳密にはバックゲージ(車両の車輪フランジの内側)が両国間で10ミリちがうので、車輪を上手く加工して、対応しているよ。
クナパくん 車両規格って、世界的にも同じなの?
記者 国によって違う事が多いね。ゲージで言うと、世界的には標準軌1435ミリが普通かな。19世紀初頭の馬車鉄道が起源だね。馬車の車輪幅は道が轍で凸凹にならないように、統一される事が多かった。古代ローマ時代からそうだったみたいだ。イギリスは19世紀半ばから鉄道の輸出を始め、本国は標準軌、輸出は狭軌だった。日本もインドネシアもイギリスから採用したので狭軌となったらしい。
クナパくん 今までに何両の日本の車両が来ているの?
記者 累積で1500両弱。稼動は1000両弱かな。そんな中でも、南武線205系が何かと話題が多いね。日本でのラストランの時に、車掌さんが「本日ご乗車いただいているこの車両は、今後インドネシアのジャカルタへ渡り、走り続けることとなります。お忘れ物のございませんように。また、この電車との思い出もお持ち帰りいただけると幸いです」とやった話は有名だよ。
クナパくん JRマンもやるね。
記者 南武線205系には後日談があって、日本の大学生が無くした携帯電話と身分証明書が座席と背もたれの間に挟まったまま運ばれてきて、これを到着後にインドネシアの鉄道技師がみつけた。しかもSNSにアップして、回りまわって持ち主と連絡が取れ、無事戻すことができたんだ。
クナパくん ローマ帝国時代といい、南武線といい、鉄道にはロマンあるね。ぼくのPSBBでモヤモヤした気持ちも、少し晴れた感じだよ。