未明に太鼓の音
クナパくん 最近、未明にカンプン(下町)から太鼓の音が聞こえてくるよ。それと一緒に子どもたちの「サフール、サフール!」という元気な掛け声も聞こえるなあ。
記者 「サフール」は、断食を行う前、日の出前の食事のことだよ。
クナパくん どうして子どもたちがサフールと大きな声で叫んで歩いている?
記者 「これからサフールを取る時間だから起きて! 」とみんなを起こして回っているんだ。小さな太鼓を首から下げてスティックでたたきながら練り歩く太鼓隊を見た。ほか竹の楽器を持っている人もいたな。
クナパくん 大人はやらないの?
記者 ムスリムのインドネシア人女性(27)によると、サフールを呼びかけるのは各カンプンの子どもたちがやることが多いみたい。だいたい小学から高校までの子どもたちが数人集まってやることが多いというよ。
クナパくん そうなんだ。なんだか子どもたちの声だとかわいらしいね。
記者 南ジャカルタ区スティアブディ郡カレットクニンガンのカンプンではラマダン期間中のある日、数人の太鼓隊が、午前2時半ごろから同3時すぎまで太鼓を「バンバンバン」と力強くたたきながら住民に「サフール、サフール」と呼びかけていたよ。
クナパくん 朝早いね。
記者 ちなみに、日によって多少時間は異なるが午前4時半ごろには「イムサック」という声も聞こえてくるよ。イムサックは飲食ができなくなる時間のことで、イムサックまでに食事を取るんだ。サフールもイムサックも町の人が声で知らせたり、各モスクからスピーカーでお知らせしてたりするんだ。
クナパくん こうして近所で呼びかけ合って、これから始まる断食に備えるんだね。(上村夏美、写真も)