航空券値下げ、どうして?
クナパくん 航空券が値下げされるんだって?
記者 そうだね。運輸省によると、年末年始の空の便利用者が思うように伸びず、1月にインドネシア航空協会(INACA)が国内線航空運賃値下げをぶち上げた。ただ、運賃の内訳のうち、旅客サービス施設使用料(空港税)は今まで上り基調できたものなので下げにくい。そこでまずジェット燃料を下げるべきだという意見が2月に入り、高まっているんだ。
クナパくん 国営石油・ガスプルタミナが独占して販売していることが、燃料高騰の原因なの?
記者 空港管理会社も国営企業なので、統制する上でプルタミナが一括して管理していた方が良い、というのがこれまでの政府の見解だ。石油の純輸入国のインドネシアは、一大精製基地シンガポールから原油を輸入して精製。航空燃料を作っているが、シンガポールに委託精製する分もある。その分だけコストも増えているということだね。
クナパくん 運賃を値下げして航空会社は大丈夫?
記者 国営ガルーダ・インドネシアは経営基盤が安定しておらず、大手のライオンエアはコスト削減により、昨年の墜落事故のようなトラブルを招いているとも言われる。値下げは打撃だし、投資家心理にも響く。
燃料値下げの根拠の一つとなる米WTI原油先物も、昨年11月頃急落したが、再び上向いてきている。値下げするにしても、市況を慎重に見極めないとね。
クナパくん でも航空券が高いと観光客も来ないよ。何か良い手はないのかな?
記者 政府はコスト減のために航空燃料へのバイオ燃料混合義務化を進めようとしている。また、航空燃料に課している付加価値税(PPN)の引き下げも現実味を帯びてきた。ただ、プルタミナ以外の石油会社が航空燃料給油事業に参画するのは、プルタミナとの調整、資格の観点から時間がかかる。
クナパくん せっかく空港を建設し、新しい航路を就航させても航空券が高いと、国内外の観光客からの魅力も薄れてしまうので、安くなるといいね。(平野慧)