【スナンスナン】本格のモロッコ料理 タンジール 元投手の異色シェフがオープン
中央ジャカルタ区のタムリンレジデンスにこのほど、モロッコ料理店「タンジール」がリニューアルオープンした。元は「ル・モンド・オ・バルコン」という名前のフランス風モロッコ料理店だったが、モロッコ出身のシェフが「ジャカルタにはモロッコ料理を専門的に扱う本格的なレストランがない」と名前もコンセプトも新たに、モロッコ料理専門店としてスタートさせた。
モロッコ北端の都市タンジールをイメージした店内は、タンジールの名産オレンジのカラーに彩られている。レストランは2階のバルコニーに面しており、夜には外の風に当たりながらモロッコ風ランプの明かりの下、料理やお酒、水たばこを楽しめる。
オーナー兼シェフのナビル・ジャグドゥールさん(38)はモロッコで生まれ、その後フランス・ボルドーへ移り住み、そこで料理学校へ通い、学位を取得。
料理学校在学中に趣味で野球を始めたナビルさんは、米国ジョージア州のマイナーリーグチームにスカウトされ、渡米。投手として選手生活を送った後、米国でシェフとして経験を積んだという、異色の経歴の持ち主だ。
メニューは、「いつも新鮮な食材を使いたいから、料理をあまりストックしないように」と1枚の紙に収めたが、タジンやクスクス、トマトスープのハリラなど、十分にモロッコ料理を楽しめる内容になっている。
スパイスや食器はモロッコから輸入。牛肉、ラム肉はオーストラリア産のものを、鶏肉は国内のものを厳選して使っているという。
おすすめのクスクス・ロワイヤル(13万5千ルピア)はたっぷりの野菜に鶏、ラム、牛、自家製ソーセージ、ケフタ(アラブ風ミートボール)をのせたボリュームのある一品。野菜と肉のうまみがしみ込んだスープをかけて味わう。
ジャカルタではなかなか味わえないモロッコの伝統料理、パスティラ(10万5千ルピア)も。パリパリのパイ生地の中には卵と鶏肉。上にかかった粉砂糖のほんのりとした甘みとシナモンとパセリの香りが特徴だ。
「多くのお客さんはここで初めてモロッコ料理を食べるが、大体の人が気に入ってくれる。これからもっとモロッコ料理を知ってもらって、広めていきたい」と笑顔で語った。(坂田優菜、写真も)
Tangier
住所 Thamrin Residence, Lev. P2,
Jl. Teluk Betung, Kebon Melati,
Jakrta Pusat
☎ 021・2949・6213
ウェブ gourmand.group
営業時間 日~木曜 午前11時半~翌午前0時
金~土曜 午前11時半~翌午前1時
ラストオーダーはいずれも午後11時