韓国語で大合唱 韓国歌手8組集結 ブンカルノ競技場に1万人
韓国公共放送局KBSは9日夜、中央ジャカルタ・スナヤンのブンカルノ競技場で、韓国のトップ歌手8組が出演する公開収録コンサート「ミュージック・バンク」を開催し、約3時間にわたり、韓国音楽ファンや在留韓国人ら約1万人を熱狂の渦に巻き込んだ。
出演したのは、男性アイドルグループのスーパージュニア、シャイニー、2PM、ビースト、インフィニット、ティーン・トップ、ソロのエル、女性アイドルグループのシスター。いずれも世界各国に広がる「Kポップ」ブームをリードするトップ歌手だ。
会場はブンカルノ競技場のメインスタジアムの約3分の1を使用。同スタジアムを使った外国人歌手は少なく、近年では昨年9月、韓国の芸能事務所主催の「SMタウン・ライブ・ワールド・ツアー」に次いで2回目。
観客は10、20代の女性が約9割を占め、午後8時過ぎの開演を大歓声で迎えた。出演歌手たちとインドネシア人タレントが進行役を務め、韓国語とインドネシア語を混ぜながら歌手の名前を連呼。代わる代わる登場する歌手がヒット曲を披露すると、韓国語の歌詞を丸暗記している観客の大合唱がスタジアムに響き渡った。
中盤では照明が落とされ、インドネシアで放映された韓国の連続ドラマ「フルハウス」の名場面をスクリーンに映し出す。そこへインドネシアでもヒットしたドラマの主題歌を歌手たちが熱唱。さらに「ドリームハイ」「花より男子」と人気ドラマとその歌が続く。
近年の韓国文化ブーム「韓流」を追ってきた観客が感動を新たにしながら、インドネシアで頻繁に公演を行うようになった韓国のトップ歌手との距離が一気に縮まる。
韓国の歌手がインドネシアの懐メロや童謡を歌ったり、インドネシア語を交えてメンバーを紹介したりして会場を沸かせる。インドネシアの人気男性歌手アフガンも登場して友好ムードを盛り上げた。
昨年のSMタウン公演はチケットが手に入らず、今回は韓国企業に勤める友人に手配してもらったという会社員アルニカさん(25)は「ハングルのローマ字読みをインターネットで調べて、歌詞を覚えている」と話す。大ファンのシャイニー以外の歌手の歌も一緒に歌っていたが、「意味はまったく分からないけど、ヒット曲はよく聴くので覚えてしまう」という。
今回のコンサートは、Kポップを世界に発信してきたKBSの人気音楽番組「ミュージック・バンク」の海外収録ツアーで、日本、フランス、香港、チリでも収録を実施。公演の様子は韓国や各国で放映され、インドネシアでは民間テレビ局トランスTVが放映する予定。 (配島克彦、写真も)