中間層10万人が殺到 日本のアーティストも華を添える ジャワジャズ大盛況
インドネシア最大の音楽の祭典第9回ジャカルタ国際ジャワ・ジャズ・フェスティバル(ジャワジャズ)は1〜3日の3日間、中央ジャカルタ・クマヨランの国際展示場(JlEXPO)で開催された。国内外のトップアーティストから国内の新人まで総勢1600人が出演。新興国の雄として急成長するインドネシアの中間層ら延べ約10万人が会場に詰めかけた。
初日の1日夜、今年の目玉アーティストである英R&Bシンガーのジョス・ストーンが登場。裸足でステージの上を歩きながら、14曲を熱唱し、観客を魅了した。2日目にはポーランド出身のバーシアが力強い歌声を披露した。
インドネシアのアーティストも多数出演。絶大な人気を誇るマリック&デセンシャルらジャワジャズ常連のほか、新人バンドも登場。ジャズだけでなく、ロックやポップスの人気歌手も多い。
会場で演奏が始まると、観客は一斉に高級携帯電話やタブレット型端末で動画や写真の撮影を始める。3日間のフリーパスは約90万ルピア。ジョス・ストーンなどの大物アーティストは追加料金で10万〜30万ルピアかかり、計100万ルピア(約1万円)以上になる。公式グッズ店では1枚15万ルピアのTシャツが飛ぶように売れる。
ジャワジャズを支えているのは中間層や20〜30代の熱心な音楽ファンだ。バンドン工科大学2年のリクシー・インドラ・ラカシウィさん(20)は、友人に誘われて今回初めてジャワジャズに来た。「6カ月間お小遣いを貯金した。多くの国のアーティストの演奏を聞くことができるのは本当に楽しみ」と話す。
会場奥には約80店舗が入る巨大な屋外フードコートも設置された。スンダ料理などインドネシア各地の料理のほか、ベーグルやホットドック、牛丼などが通常の倍近い値段で販売したが、大勢の若者でにぎわった。
会場中心部の屋外テントには楽器、音響機器店、CDショップ、携帯端末、航空会社、留学斡旋業者など、さまざまな企業のブースが並ぶ。ビールやウイスキーメーカーがバーを設け、ミニライブなどイベントを開くブース周辺は、押し掛けた観客で身動きが取れなくなった。
■日本アーティストも
昨年に続き、今年も日本のアーティスト5組が出演。noon、小林香織、マンデイ満ちる、Fried Pried、ジャカルタ在住邦人ビッグバンドのギャラクシーが登場した。4回目の来イ公演となったマンデイ満ちるはソロのほか、インドネシアの人気グループ、ザ・グルーブとも共演した。
ギャラクシーは3日午後、小雨が降る中、屋外ステージで日頃の練習の成果を披露した。メンバーの志方守さん(55)は「今回はメンバーそれぞれがリラックスして力を発揮できたと思う」、メンバー唯一の高校生の福原悠介さん(16)は「今回初めてソロパートをまかされて緊張した。ジャワジャズはアーティストも観客もいろいろな人が来るので、本当にいい経験になった」と語った。(高橋佳久、赤井俊文)