永遠の絆、誓い合う 市民や観光客が祝福 ジョクジャ王子王女
ジョクジャカルタ王家のハメンクブウォノ十世(スルタン)の末娘、グスティ・カンジェン・ラトゥ・ブンダラ王女(二五、旧名グスティ・カンジェン・ヌル・アストゥティ・ウィジャルニ)とカンジェン・パンゲラン・ハリヨ・ユダヌガラ王子(二九、旧名アフマッド・ウバイディラ)は十八日、一連の結婚儀式の頂点となる宣誓式やパレード、披露宴を挙行した。王宮との一体感を持ち、伝統文化が息づくジョクジャカルタの市民や観光客ら約一万人が街頭に繰り出し、市内は祝福ムードに包まれた。
一連の儀式の様子は、市内各地に設置された巨大スクリーンを通じて生中継された。インターネット上でも、地元テレビ局ジョクジャTVがストリーミング中継を行った。
十八日午前六時ごろ、王宮の伝統に沿った儀式から始まった。同七時ごろ、王宮のパヌプン・モスクにユダヌガラ王子が到着。イスラムの結婚承認を行う王族に導かれたユダヌガラ王子は、ハメンクブウォノ十世らの前で、流ちょうなジャワ語でブンダラ王女への結婚を宣誓。二人は正式に夫婦として認められた。
儀式を終えた同十時ごろ、ユダヌガラ王子は、隔離されていたブンダラ王女と二日ぶりに顔を合わせ、妻が夫を影で支えることを誓う「パンギ」の儀式を挙行。ユドヨノ大統領やアニ夫人、ブディオノ副大統領、ユスフ・カラ前副大統領、国内第二のイスラム団体ムハマディアのディン・シャムスディン議長など要人が見守る中、ブンダラ王女がユダヌガラ王子の足の裏を水で洗い、王子が王女を抱きかかえる儀式「パンドンガン」を行った。
王宮の外は、街頭に繰り出した市民で身動きが取れず、マリオボロ通り沿いのブリンハルジョ市場では、パレードを一目見ようと屋根の上までよじ登って陣取る若者たちも。午後三時ごろ、馬車に乗った二人が姿を見せると、祝賀ムードは頂点に達した。
二人は州庁舎内にある元王宮の建物クパティハンに到着。午後七時から、ガムランの演奏に合わせ、王宮の結婚式の踊りが披露された。入り口にはスルタンやヘマス王妃ら親族が並び、新郎新婦とともに招待客とあいさつを交わし、盛大に披露宴を行った。