春節最終日を祝う 大統領の「知恥尚徳」批判も チャップ・ゴ・メ

 中国正月(春節、イムレック)の最後を締めくくる「チャップ・ゴ・メ」の24日、各地でパレードが催されるなど祝賀ムードが高まった。西ジャカルタ・グロドックの中国寺院・金徳院には首都圏各地から参拝客が訪れ、正月の最後を締めくくる祈りを捧げた。
 イムレックを控えた先月から、約1カ月にわたり、真っ赤な提灯で彩られた華人街のグロドック。商店が密集する路地から入ったところにある金徳院は、新年の祈りを捧げる参拝者でにぎわった。今年はバロンサイ(獅子舞)などを披露するパレードはなく、境内でのお祈りだけだったが、近隣住民のイルワンさん(58)は「今年の正月も例年通り祝うことができてよかった」と話した。
 ユドヨノ大統領が19日、イムレックを祝う式典で「知恥尚徳」(羞恥心が人徳を高めるという意味)の文字を掲げて演説したことについて聞くと「春節の時期に合わせて立派なことを言っただけ。舌の根も乾かないうちに自分の政党の汚職問題が明らかになるなんて。まず自分で恥を知ってほしい」と辛辣なコメント。
 参拝しに来たヘンドラさん(56)は「チャップ・ゴ・メの盛り上がり自体はそれほどでもない」とした上で、好調な経済成長については「汚職で多くの人が儲けを持っていってしまう」とこぼした。寺院を訪れる華人以外のインドネシア人も増えているが「観光気分で写真を撮りにきているだけでは。これから華人文化への理解を深めていってほしい」と話す。
 地方からの参拝客も少なくない。西ジャワ州ボゴール県で自動車整備工として働くアチアニさん(73)は「ジャカルタも参拝客が多いけれども、ボゴールのイムレックも活気がある」と語る。バロンサイなどの催しが盛んに行われているという。
 イムレックの金徳院には、富裕な華人からの喜捨を求める物乞いも押し寄せる。ジュレハさん(70)は「お金がないから(西ジャカルタの)アンケから歩いてきた」。1日当たり1人1万ルピアほどの喜捨を得ることができるという。(赤井俊文、写真も)

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