スランク 警察と和解 人気ロックバンド 興行許可の提訴取り下げ
人気ロックバンド「スランク」は22日、南ジャカルタ・クバヨラン・バルの国家警察で警察幹部と協議し、近年、野外コンサートの開催許可が警察から下りず、憲法裁判所に今月請求した興行許可に関する警察法や刑法の規定の違憲審査を取り下げると明らかにした。
スランクのビンビン氏は「警察は今後、われわれや他のミュージシャンがどこで公演するとしても支援する。今回の話し合いを非常に誇りに思う」と述べ、表現の自由を保障する憲法に反すると訴えた違憲審査請求は「月曜(25日)にも取り下げる」と話した。
スランクは1990年代以降、社会派バンドとしてインドネシアのロックシーンをリード。大規模な野外コンサートに熱狂的なファンが集まり、ステージの周辺警備にあたる警察機動隊に投石するなど小競り合いも頻発してきたが、警察と協力し、大規模な暴動に発展することはなかった。
しかし、2007年以降、政府や検察、警察などの高官の不正摘発を進める独立捜査機関・汚職撲滅委員会(KPK)を支援するキャンペーンを展開。汚職犯批判の歌を発表したり、集会を開いて、KPK委員長や警察批判の急先鋒の活動家らとデュエットするなど活動を活発化した。
09年の総選挙以来、首都圏を中心とする会場での単独公演の開催許可が警察当局から下りず、他の歌手との共演イベントなどに限定されるようになったことから、警察と敵対するKPKへの支援表明が警察を激怒させたとの見方が強まっていた。