「バティックの背景伝える」 ドキュメンタリー映画を製作 花王とカルヤナ・シラ社
「バティックを保護し、次の世代に継承したい」という共通の願いを持つ花王インドネシア社と映画制作会社のカルヤナ・シラ社は、二日の「バティックの日」を記念し、バティックの制作現場を伝えるドキュメンタリー映画「バティック・アワ・ラブストーリー(Batik Our love Story)」を制作した。九月三十日に中央ジャカルタのモール「グランド・インドネシア」内の映画館、ブリッツメガプレックスで試写会と記者会見を行った。
同作は、監督のニア・ディナタさんらが、今年の四月から七月にかけて、バティックの産地であるプカロガン、チルボン、ジョクジャカルタ、ソロ、ラセム、マドゥラを訪問し、バティック工房を撮影したドキュメンタリー映画。インドネシアの映画制作会社が撮影した初のバティックのドキュメンタリー映画として、インドネシア記録博物館(MURI)に認定された。
各地の町の様子や、バティック職人による各地のモチーフの歴史の説明、バティック工場の様子を収録。冗談を言い合って大笑いしながら真っ赤なバティックを干すマドゥラのバティック職人の女性たち、学校から帰り、工場のバティックの色付けを手伝うチルボンの子ども、授業後に町の集会所でろう付けを学ぶラセムの子ども、ジョクジャカルタの宮廷バティックを説明する男性などが登場する。
ニア監督は、「誰が、どのような場所で、どんな想いを込めてバティックを作り、どのように受け継がれていくか」といったバティックの背景を知り、よりバティックへの理解を深めてもらいたいと話した。
一般公開はまだ決まっておらず現在、関連映画会社と協議している。花王インドネシア社マーケティング部のムサ・チャンドラ・エグゼクティブオフィサーは、将来的にDVD化し、教育施設や文化施設に贈呈したいと話した。
「現場の声」をモットーに事業展開する花王インドネシア社は、消費者からの「バティック用の洗剤はないか」という問い合わせから、昨年はバティックの日に合わせ、バティック用液体洗剤「アタック・バティッククリーナー」を発売した。マーケティング部の規矩田(きくた)聖治シニア・マネジャーは「今後も、バティック保護活動を続けていきたい」と力を込めた。