手作りパンをその場で 京都のプロバンスが進出 北ジャカルタに1号店
パンの製造販売を手掛けるプロバンス(本社・京都府福知山市)のインドネシア第1号店が15日、北ジャカルタのパンタイ・インダ・カプック(Rukan Crown Golf, BlokD No.39)にオープンした。海外進出はシンガポールに次いで2カ国目。
白色で統一された店内には、焼きたてのパンの香ばしい匂いがたちこめる。パンが陳列された棚の横で製造を間近に見ながら、手作りのパンをその場で買うことができる。
パンの価格は5千―1万4千ルピア。市民が買いやすい値段に設定した。一押しはシンガポール店でも人気のチョコワッサン。開店して3日で一番売れているという。また、カレーパン、あんパン、小倉ウォールナッツなど日本のパン屋でなじみのパンも食べることができる。
合弁会社のプロバンス・インドネシア社社長を務めるインドネシア人のイメルダ・ノフィタ・マヌアさん(36)は「プロバンスのパンの美味しさをインドネシアで紹介したい」と、プロバンスにインドネシア進出の話を持ち掛けた。初めてシンガポールの同店を訪れた時、パンの生地の柔らかさに驚き、それからシンガポールに行く度に通い続けたのがきっかけだ。
プロバンスはシンガポール以外での東南アジア諸国進出を模索しているところだった。インドネシアからも複数の提案が上がっていたが、品質維持を優先し、むやみに店舗数を拡大しないなどのプロバンスのコンセプトとイメルダさんたちの方針が合致し、視察と話し合いを重ねた結果、昨年に合弁会社を設立することで合意した。
イメルダさんは「インドネシア人はシンガポールのプロバンスを知っている人が多い。大量にまとめ買いしていく人がいるほど人気」と説明。来店した華人女性は「シンガポールにこのお店があることは知っていた。家の近くにできるということでとても楽しみにしていた」と語った。開店1カ月前から従業員の訓練を重ね、開店にこぎ着けた。
同店のパン職人、中川富士夫さんは「文化や言語が違うインドネシアでの人材育成が難しい。苦労もあるがやりがいもある。プロバンスのパンを多くのインドネシアの方に味わってほしい。これからが重要です」と意気込みを語った。