9月に「アニメの祭典」 日本の最新ポップカルチャーを クマヨランで4万人来場見込む 著名アーティストも来イ
日本のマンガ、アニメなどポップカルチャー情報を発信するため、シンガポールで毎年行われる東南アジア最大級のアニメイベント「アニメ・フェスティバル・アジア(AFA)」のインドネシア版「AFAインドネシア(AFAID)」が、今年9月1日、2日の2日間、中央ジャカルタ・クマヨランの国際展示場(JIExpo)で開催される。主催者は2日間で4万人規模の来場者を想定。中間層が拡大し、若年層の人口比率が高いことなどを背景に東南アジア最大のポップカルチャー市場になる可能性を秘めるインドネシア。日本の関連企業が参加し、自社コンテンツの売り込みを図る。インドネシアにおける日本のポップカルチャービジネスの起爆剤となりそうだ。
AFAIDは、シンガポールの「SOZO」社、電通インドネシア社、インドネシアのスカイラー・コミックス社が主催。12日に南ジャカルタのモール「fX」で行われた記者会見で、SOZO社のショーン・チン社長はAFAIDに参加する日本からのアーティストを発表した。
「マジンガーZ」など1200曲の特撮・アニメソングを歌った水木一郎さんを含む日本の著名アニメソング歌手6組以上が、計7時間のアニメソングコンサートを行う。インドネシアのコスプレ大会「CLAS:H」全国決勝大会の開催や、厳しいトレーニングを受けた秋葉原流の「メイド」や「執事」が働くカフェも設置される。今後、インドネシアのトレンドを見ながら、秋葉原で発信される最新文化を体験できるコンテンツを充実させていく方針だ。
AFAは、2008年以降、毎年シンガポールで開催している。日本からAKB48など大物アーティストやコスプレイヤー、アニメクリエイター、声優を招き、コンサートやレクチャーを行ってきた。今年6月にはマレーシアでも展開。日本のアニメグッズ公式販売店やゲーム製作会社も出店し、東南アジアでのビジネス展開の可能性を模索する機会になった。初回の動員数は4万人程度だったが、昨年は8万人規模に膨れあがった。
■アニメ人気高い親日国
チン社長によると、SNSのみでのPR活動にもかかわらず、シンガポールのAFAには毎回インドネシアから4―5千人が来場している。AFAのフェイスブックページへのアクセスの25%はインドネシアからで、イベントへの関心も高い。親日国で人口も多く、日本のマンガなどポップカルチャーへの理解もあるインドネシアを有望市場として捉え、09年ごろからAFAの開催を目指していた。
パートナー探しなどのため開催は大幅にずれ込んだが、今年2月のポップカルチャーフェスティバルや5月のラルク・アン・シエルのコンサートが成功し、ゲーム関連のイベントが各地で開催されるなど、日本のポップカルチャーの浸透が進む中、絶好のタイミングでの幕開けとなりそうだ。