チャレンジな年に
クナパくん インドネシア語がユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の公用語になったね。
記者 そう。これでアラビア語、中国語、英語、フランス語、ヒンディー語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、そしてインドネシア語がユネスコ総会での公用語になった。じゃかるた新聞でも、昨年11月22日付け紙面で報道しているよ。
クナパくん ユネスコは、保護していくべき世界遺産などの登録活動をしている国連機関だよね?
記者 世界の文化的遺産の登録と記録は、ユネスコの大きな活動の1つだね。活動は、世界遺産の登録と無形文化遺産の登録があるよ。世界遺産は、世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約(1972年採択、75年発効)に基づき、普遍的な価値のある人類全体の財産として登録、保護される有形遺産のことだね。対象は、文化遺産、自然遺産、複合遺産の3種類あるんだ。一方、無形文化遺産は、無形文化遺産の保護に関する条約(2003年採択、06年発効)に基づき、登録、保護される各国の芸能や祭礼、伝統工芸技術のことをいうよ。世界遺産と無形文化遺産では、有形と無形の違いと登録の根拠となる条約が異なるんだ。また、世界遺産の英語表記はWorld Heritageだから、文字通り世界遺産だね。一方、無形文化遺産の原語はIntangible Cultural Heritageで、「世界」はつかないね。無形文化遺産を世界遺産として表現してしまう正確さを欠く事が日本のメディアでもあるよ。
クナパくん インドネシアの世界遺産は何?
記者 ボロブドゥール寺院遺跡群(文化)やスマトラの熱帯雨遺産(自然)などだね。昨年末には、ジョクジャカルタの宇宙論的枢軸とその歴史的建造物群(文化)も登録されたよ。複合遺産は、文化遺産と自然遺産の両方の価値を備えているものだけど、インドネシアや日本ではまだこの分野での登録がないんだ。
クナパくん インドネシアの無形文化遺産は?
記者 バティックやワヤンなどがあるよ。
クナパくん インドネシア語がユネスコでの公用語となり、インドネシアは2024年、大切な文化を守りつつ、経済協力開発機構(OECD)加盟など先進国入りに向けたチャレンジの年なのかな。