注目の炭素取引所
クナパくん 炭素取引所ってなに?
記者 二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの削減効果をクレジット(排出権)として、売り買いする取引所のことだよ。気候変動に関する国連枠組条約の目的を達成するため、1997年の京都議定書を継承した2015年パリ協定で具体的に枠組みが決まった。各国家や各企業ごとに温室効果ガスの排出枠(キャップ)を定めて、達成しようとするものだ。排出権の取り引きは、排出枠が余った国や企業と、排出枠を超えてしまった国や企業との間で行うもの。京都議定書の第17条に規定されていて、温室効果ガスの削減を補完する京都メカニズム(柔軟性措置)の1つだね。
クナパくん インドネシアはどういった分野で炭素排出削減をしようとしているの?
記者 インドネシアは、世界第3位の熱帯雨林面積を誇る島しょ国家である一方、世界有数の温室効果ガス排出国でもあるね。60年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を設定している。ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領は「インドネシアは炭素排出削減の60%が自然部門からもたらされる唯一の国である。潜在的に炭素クレジットと回収が可能なCO2は約1㌐㌧ある。そして、計算すると、私たちの炭素交換の可能性は3兆ルピア、場合によっては3000兆ルピアに達する」と開所式で言ったよ。
クナパくん 具体的にはどうなの?
記者 炭素取引所は証券取引所に置かれているけど、開所日当日、プルタミナ地熱エネルギーの北スラウェシプロジェクトからの二酸化炭素換算量(CO2e)約46万㌧の炭素クレジット13件が1トン当たり6万9600ルピアで取り引きされた。 買い手はマンディリ銀行などの国内銀行や国営エネルギー会社プルタミナ、鉱業部門の企業などだね。炭素交換を実施している国は、欧州連合(EU)、スイス、ニュージーランド、カザフスタン、韓国、オーストラリア、カナダ、メキシコなどがあり、中国は2013年から7つの省で試験実施しているよ。
クナパくん インドネシアも先進的になってきたね。