PM2.5にも要注意
クナパくん PM2.5って何?
記者 午後2時半ではないよ。微小粒子物質のことだよ。
クナパくん 微小粒子物質って分かりやすく言うと?
記者 大気中に浮遊している直径2.5μm(マイクロミリメートル)以下の微小物質のことだよ。1μmは、1㍉の1/1000だね。人の髪の毛の直径が約70μm、スギの花粉が30μmだから、かなり小さいね。PM2.5は、非常に小さいために肺の奥深くまで入りやすく、呼吸器系への影響に加え、循環器系への影響が心配されているんだ。
クナパくん やっかいだね。なにが原因でできるの?
記者 物の燃焼の際に直接排出されたり、硫黄酸化物、窒素酸化物、揮発性有機化合物などのガス状大気汚染物質が、大気中で化学反応により粒子状化されたりしてできるね。つまり、発生源としてはボイラー、焼却炉、コークス炉、自動車、船舶、航空機や火山などかな。
クナパくん 以前、ジャカルタの交通混雑の話をしたけれども、大気汚染もひどいの?
記者 スイスの大気汚染調査会社IPエアが131カ国7323ヶ所を調べているけれど、昨年は、汚染度の高い上位100都市の中でインドが65都市を占めたんだ。インドやパキスタンや中国が深刻だね。汚染度1番の都市は、パキスタンのラホール。ジャカルタは307位だ。PM2.5は1立方メートルあたりのPM2.5のマイクログラム数(マイクログラム/立方メートル)の濃度として測定して、大気汚染を測定する指標として使われている。昨年、ラホールのPM濃度は97.4で、ジャカルタは36.2という。ジャカルタは2019年が49.6だったから改善されてはいるね。ただ、3月半ばは日中100を超えているから、要注意だよ。ちなみにスマトラのアチェは、7.9で4795位だ。
クナパくん どのくらいの数値ならいいの?
記者 世界保健機関(WHO)は、年平均で5としているよ。日本の環境省は年平均で35以下が健康を維持するのに好ましい数字、反対に70を超えていると行動制限が必要としているよ。WHOは2016年、大気汚染関連で、平均寿命より早く亡くなる方が年間420万人だったと報告しているよ。2年以上に及ぶ新型コロナウイルスで亡くなった人が680万人なので、深刻な数字だね。
クナパくん 経済回復や脱炭素化社会の実現だけでなく、取り組まなくてはならないことは多いね。