階段を調べてみたら…
クナパくん 階段で怖い目に遭ったよ。
記者 怖い〝怪談〟? インドネシアの人はホラーが好きだからね。
クナパくん 違うよ、歩道橋の階段だよ。歩きスマホをしながら上がっていたら、転んで、足をくじきそうになったんだ。インドネシアの階段はなぜ、段ごとに高さが違うのかな……?
記者 そうだね、自分も「あれっ?」と思った経験があるよ。確認してみようか。じゃあ、まず、じゃかるた新聞が入居してるビルからね。普段はエレベーターを使っているけれども、非常階段も2本設置されているよ。事務所のある5階は階段を11段上がると踊り場に出る。さらに11段上るとひとつ上の6階に到着するね。ただ、ロビー階は天井を高くするよう設計されているから13段で踊り場となり、さらに11段上がり2階に到着した。蹴上とよばれる階段の1段分の高さは全て18センチ。踏み面(ずら)と呼ばれる足で踏み上がる部分は幅30センチだね。問題はないようだよ。
クナパくん じゃあ、僕が転んだ歩道橋に行こう。
記者 ふむふむ。地上から20段上がって踊り場、そこで折り返しさらに14段上がって歩道橋レベルに着くね。そして踊り場まで最初の1段の高さが14センチで次が19センチ。踊り場手前は13.5センチだ。踊り場から上は1段目が17.5センチ。そこから歩道橋の1段手前まで22.5センチが続き、最後の1段が29.5センチだね。
クナパくん 高さがまちまちなんだ……。となると、これでつまずいた可能性が高いね。自分の足が、みんなより大きいから、僕はてっきりそれでつまずいたのかと思ったよ。
記者 歩きスマホ自体が危ないよ。ただ、階段は法令等で1段の高さや踏み面の幅が段ごとに異ならないよう、均一とすることが決められているよ。高さに19~29.5センチと大差があり、均一性が保たれていないのは問題だね。
クナパくん インドネシアでは、型枠を使ったプレキャストではなく、現場打ちだからまちまちのサイズとなると思っていたけれども、歩道橋という公共施設で遵法性が欠けるのは、問題だね。スディルマン通りの歩道など公共空間が折角きれいに整備されてきているので、さらに街全体が少しずつよくなるよう、今後に期待したいね。