民族大移動が再び
クナパくん 断食月のラマダンに入ったね。
記者 ラマダン後に控えるレバラン休暇の帰省、ムディックがもう気になる人も多いようだよ。
クナパくん 新型コロナウイルスの感染を抑制する行動制限も緩和されてきたから、今年は多くの人が帰省を考えているようだね。
記者 運輸省は、今年は全国で8000万人が帰省すると予測したね。8000万人というと国民の30%に相当するから、文字通り民族大移動だ。
クナパくん すごい数字だね。
記者 先日、インドネシア国鉄が22日から29日までの長距離列車のチケット9万7千枚が売れたと発表したけど、その程度の数字で驚いていてはいけない。今年は、新型コロナウイルスワクチンのブースター接種を受けていれば、移動はかなり自由になっているから。
クナパくん ブースター接種って何?
記者 追加接種という意味だね。新型コロナウイルスのワクチンの多くは2回接種することを前提としていたね。接種から時間が経つと感染予防効果が減少していくので、3回目の追加接種をして効果を高める(ブースター=増幅器)ことだね。
クナパくん なるほど。コロナ前のムディックでも8000万人も移動していたの?
記者 いや、コロナ前は3000万人ぐらいだったと思う。ジャボデタベック(首都圏)からは約1300万人の移動だね。それでも、ジャボデタベックの人口は3100万人だから、42%の人が移動していたことになるね。
クナパくん ムディックは、インドネシア独特のものかな?
記者 世界各地であるよ。日本では、お盆とお正月の時期に帰省しているね。大都会に地方から仕事などの経済的な機会をもとめて出てきた人たちが、故郷で家族や親せきと過ごす時間になる。インドネシアは1970年代にスハルト政権時代の経済開発にともなって、ジャカルタの都市化が加速した。ムディックという言葉もそのころから使われ始めたはずだ。
クナパくん 2年間の新型コロナウイルス禍を踏まえた反動で、ムディックの規模もブーストするわけだね。手洗い・マスク・ソーシャルディスタンスの新型コロナウイルスの基本対策を守って、安全で楽しいひと時を過ごせるといいね。