ツール・ド・シンカラック開幕 日本代表も初参戦 愛三の伊藤、初日制す

 ブキティンギを中心とするミナンカバウ文化やパダン料理で知られる西スマトラ州の観光促進などを目的に毎年開催されてきた国際自転車ロードレース「ツール・ド・シンカラック(TDS)2012」(主催・観光創造経済省、西スマトラ州政府)が4日、10日までの日程で開幕した。日本からは今年は、2009年の第1回大会から参戦している愛三工業レーシングチーム(本社・愛知県)に加え、日本自転車競技連盟が派遣する23歳以下の代表チームも参戦。シンカラック湖など風光明媚な観光名所を世界18カ国のチームが走り抜ける。

 コースは7ステージ計854キロ。第1ステージは同州サワルント市周辺の77.6キロ。初日は愛三工業の伊藤雅和選手が優勝した。別府匠監督は、山がちな地形が特徴のレースに合わせた選手選考を行ったといい、「チームとして最高のスタートが切れた」と語った。
 開幕式にはマリ・パンゲストゥ観光創造経済相、西スマトラ州のイルワン・プライトノ知事らが出席。マリ観光相は同省はバリに続く外国人を引きつける観光地の開発を重要視しており、TDSをその一環と位置付けていると説明した。

■アジアとともに成長
 4年連続の参戦となる愛三工業。本社はインドネシアでは西ジャワ州ブカシの東ジャカルタ工業団地(EJIP)で自社工場を操業するなど、アジア開拓に注力しており、レーシングチームも日本からアジアへ活動の軸足を移動。アジアツアーで昨年は日本チームでトップの6位となり、今年はアジアナンバー1を目指している。
 本社総務人事部の中根賢二さんは「アジアの自転車レースは本場の欧州を目指して成長を続けており、愛三工業もツール・ド・シンカラックも同じ方向性での成長を続けている。インドネシアのレースは湿度が高く、路面も相対的に悪いという条件があり、昔の愛三なら精神的に負けていただろうが、今はタフになっている」と今年のレースでの活躍に自信を見せた。
 日本自転車競技連盟は若手の育成と国際試合でのポイント獲得を目的に今年が初参戦。23歳以下のトップレベルの選手をそろえた。今年の全日本選手権で7位に入った六峯亘選手などがメンバーに名を連ねている。

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