インフラ整備財源

クナパくん 限られた政府予算の中で、新型コロナウイルス拡大防止に予算を割きながら、インフラ整備予算を確保していくのが難しいことは前回の話でわかったよ。
記者 インドネシア政府は、国家長期開発計画の2020年からの5年間で、インフラ整備に4500億ドルを確保するといっていた。インフラ整備は景気回復の重要な方策だけれども、国民の健康管理と経済回復も重要な課題となっている今、ある程度の修正が必要になってくるね。
クナパくん インフラ整備の財源として、政府系ファンドを立ち上げるみたいだけれども。
記者 政府系ファンド(ソブリン・ウエルス・ファンド)だね。つい先日、最高経営責任者(CEO)にリダ・ウィラクスマ氏が起用されたところだ。同時に調達金額も150億ドルから1000億ドルに引き上げ、名称もインドネシア・インベストメント・オーソリティー(INA)となった。アラブ首長国連邦が228億ドル、米国際開発金融公社が20億ドル、国際協力銀行(JBIC)が40億ドルを出す予定になっているよ。
クナパくん 1000億ドルというと日本円で10兆円を超える大きなファンドだね。
記者 似たような例だと、シンガポール政府系の大手投資会社、テマセク・ホールディングスがその1.5倍程度の規模のファンドだね。テマセクは、シンガポールMRTの運営会社となるSMRTやシンガポール航空の主要株主。シンガポールMRTは運行とインフラ整備を行う主体を分ける上下分離方式を採用して、開発整備をすすめている。大規模な投資となり市場への影響が大きいため、透明性の確保や政治的な意図の排除など運用にあたり課題はあるんだ。
クナパくん 日本にもあるの?
記者 まだないんだ。政府系ファンドの原資は、資源を基にするものと年金や外貨を基にして運用するものに分けられるけれど、日本の場合は資源が無いので年金などを元手にすることになる。うまくいかない時のリスクは国民がとらなければならないので、慎重だね。日本は、例えば道路整備財源には揮発油税を導入して、違った試みで発展してきているんだ。
クナパくん 政府が、十分にコロナ対策をしてくれて、景気回復にインフラ開発も進むという明るい未来が待っているといいね。

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